FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:大型ハリケーンの影響で売買手控え

NYダウは5.27ドル安の21808.40、ナスダックは17.37ポイント高の6283.02で取引を終了した。先週末に上陸したハリケーン『ハービー』がもたらした経済的被害を見極めたいとして積極的な売買は手控えられ、S&P500指数やNYダウは寄り付き後に下落に転じた。保険機の支払い増加を懸念してトラベラーズなど保険株が安かった。また、被災地であるテキサス州ヒューストン付近に集中する石油精製施設が操業を停止し、原油相場が下落した。一方で、ハイテク株や医薬品セクターの大型買収を好感した買いが入り、小動きとなった。VIX指数は12.23から11.32へ低下した。

 

NY外国為替市場:北朝鮮ミサイル発射でリスク回避の円買い

ドル/円は、NYダウ先物が上昇したことを背景に買いが強まり、一時109.41円まで上げた。ただ、原油か買うのあ3.5%超下落しカナダドル/円が失速したことにつれたほか、米長期金利が低下に転じたことが嫌気されるなど、その後は上値の重い展開となった。一方で、引けにかけてクロス円が買われた影響から109.30円までショートカバーが入るなど総じて方向感がなかった。日本時間早朝に『北朝鮮から北海道や青森県など東北地方に向けてミサイルが発射された』と政府が発表したことを受けてリスク回避の円買いが強まり109円台割れとなった。ユーロ/ドルは、対カナダドルを中心にユーロ高が進んだうえ、全般ドル売り圧力が高まると買いが先行した。一時1.1983ドルと2015年1月5日以来の高値を更新し、その後も高値圏で底堅く推移した。

 

NY原油先物市場は反落:原油需要急減懸念から売り優勢

ハリケーンによる被害でガソリン先物が急伸したが、テキサス州で大洪水が発生し、主要製油所が操業停止に追い込まれていることから、原油需要は急減した。市場では、原油需要の急減は一時的な減少との見方が多いが、主要産油国による減産体制がより強化されない限り、原油先物の大幅な反発は期待できないとの見方が増えている。『サウジアラビアとロシアは3カ月間の減産拡大を強く要求している』との一部報道が伝わったものの、相場の反応は限定的だった。

 

NY金・銀先物市場は大幅続伸:米利上げペース鈍化見通しで買い優勢

NY金先物市場は、1297.00ドルから1317.80ドルのレンジで推移した。ジャクソンホール経済シンポジウム会合以降、米国の利上げペースは緩やかになるとの観測が強まったことから、終値ベースで6月7日以来の1300ドル台乗せとなった。また、北朝鮮がミサイルを発射したことから地政学リスクに対する警戒感が再燃した。そのため、時間外取引では1320ドル台まで上昇している。

 

★米国債券市場は横ばい:全般様子見ムードが広がる

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日と同じ2.16%で終了した。5年債入札が好調だったとの見方から買いが入ったが、上値は限定的となった。週末にかけた米重要指標を前に全般様子見ムードが広がった。ただ、北朝鮮がミサイルを発射したとの報道で、時間外取引ではリスク回避の債券買いが優勢となっている。

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