FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

★米国株式市場は下落:米上院のヘルスケア採決延期を嫌気

NYダウは98.89ドル安の21310.66、ナスダックは100.53ポイント安の6146.62で取引を終了した。ドラギECB総裁が欧州のデフレ圧力はリフレに変わったとの見解を示したほか、米6月消費者信頼感指数、地区連銀製造業指数、住宅価格指数が軒並み予想を上回ったことで長期金利が上昇、株式市場では売りが先行した。しかし、米上院がヘルスケア法案の採決を7月4日以降に延期すると発表したことが嫌気された。主力ハイテク株の下落も重しとなり100ドル近い下げ幅となった。VIX指数は9.90から11.06へ上昇した。

 

★NY外国為替市場:ドラギECB総裁発言を受けユーロ急伸

ドル/円は、ユーロ/円の急伸につれたほか、米経済指標が良好な結果となったことが好感された。米長期金利の大幅な上昇も支えに5月24日高値の112.12円を上抜け、112.46円と5月17日以来の高値を付けた。その後、イエレン米FRB議長の発言が伝わり全般ドル安が進むとに伸び悩んだ。『米上院はヘルスケア法案の採決を7月4日以降に延期する可能性』と伝わり、NYダウが100ドル近く下げたことも嫌気され112.06円まで値を下げた。一方で、押し目を拾いたい向きも多く引けにかけて112.30円台まで持ち直した。ユーロ/ドルは、ドラギECB総裁のタカ派発言を受け、欧市場からユーロ高が加速した流れを引き継いだ。ポンド/ドルがストップロスを巻き込み急伸した影響も受けて1.1349ドルと昨年8月23日以来の高値を付けた。

 

★NY原油先物市場は続伸:需給改善期待とドル安で買い優勢

ユーロ高・ドル安の相場展開となったことや、米6月消費者信頼感指数が予想を上回ったことが材料視された。また、翌日発表のEIA週間在庫統計を前に持ち高調整の買いも入った。原油の供給超過状態は段階的に解消されるとの見方は後退していないが、需給見通しの不透明感は依然として払拭されていない。

 

★NY金・銀先物市場は上昇:先行き資金流入減少懸念で上値重い

NY金先物は、1241.80ドルから1253.80ドルのレンジで推移した。ドラギECB総裁発言が為替市場で金融緩和策の縮小の動きと捉えられユーロが上昇したことでドル安による買いが入った。しかし、金融政策の正常化によって、金への投資資金流入が減少するとの懸念が重しとなった。前日に約1カ月ぶりの安値を付けた反動からの買い戻しもあった。

 

★米国債券市場は反落:欧州債券下落につれ安

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前日比0.07%高い(価格は下落)2.20%で終了した。ドラギECB総裁の発言を受けて欧州の金融緩和縮小への思惑が高まり、欧州債券市場が下落した影響を受けた。予想を上回る米経済指標が相次いだことも相場の重しとなった。

 

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