FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

★米国株式市場はまちまち:NYダウは連日過去最高値更新

NYダウは46.09ドル高の21374.56、ナスダックは25.48ポイント安の6194.89で取引を終了した。朝方、ワシントン郊外で共和党の下院議員が負傷する銃撃事件が発生したが。FOMCの発表を前に前日終値を挟んだもみ合いが続いた。注目のFOMCでは、市場の予想通り、政策金利が引き上げられた。イエレン米FRB議長は、足もとの物価上昇ペースの減速を認めた一方で、中期的なインフレ目標の達成には楽観的な見通しを示し、残り1回の追加利上げ見通しを維持した。年内に段階的なバランスシート縮小に着手することを決定したことで、発表後に上げ幅を縮小した。米長期金利が低下幅を縮めると金融株に買い戻しが入り、指数を押し上げた。VIX指数は10.42から10.64へ上昇した。

 

★NY外国為替市場:米利上げと資産縮小見通しでもドル上値重い

ドル/円は、欧州時間では一時110.30円台まで上昇したものの、米5月小売売上高や米5月消費者物価指数(CPI)が軒並み市場予想を下回る結果となったことで、米長期金利が急低下するとドル売りが加速し、一時109円割れとなった。その後は109円台前半でのもみ合いが続き、FOMCが政策金利を引き上げを決めたと発表すると、一時108.83円まで値を下げた。ただ、バランスシートの縮小を今年中に始める方針を示すと米長期金利の低下幅縮小に伴って買い戻される展開となった。引けにかけて米長期金利が再び低下したため上値が重くなった。ユーロ/ドルは、低調な米経済指標を受けてドルが急落した流れに沿って一時1.1295ドルまで値を上げた。FRBが資産縮小計画を公表し米長期金利が低下幅を縮めると売りが優勢となり、一時1.1193ドルまで下げた。ただ、米長期金利が再び低下すると1.122ドル台まで下げ渋った。

 

★NY原油先物市場は大幅下落:ガソリン在庫増加を嫌気

米エネルギー情報局(EIA)がこの日発表した週間統計で、原油在庫が前週比166万バレル減少と予想ほど減少しなかったため売りが先行した。また、ガソリン在庫の増加が確認されたことが嫌気された。ガソリン需要の伸び悩みを受けて供給超過状態の早期解消への期待はやや後退した。米5月小売売上高が減少したことも材料視された。

 

★NY金・銀先物市場は反発:ドル弱含みで買い優勢

NY金先物市場は、1259.00ドルから1284.20ドルのレンジで推移した。米5月小売売上高や米5月消費者物価指数が予想を下回ったことで、ドルが主要通貨に対して弱含んだことが金買いの材料となった。ただ、米FOMCでは0.25%の追加利上げのほか、年内にFRBの資産縮小を進めると決定した。金融正常化に向けた流れが確認されると、買一巡後は金の上値は重くなった。

 

★米国債券市場は大幅上昇:不調な米経済指標の反応

米国債券市場で長期ゾーンは大幅に上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.09%低い(価格は上昇)2.12%で終了した。冴えない米経済指標が相次いだことで債券買いが加速し、一時2.10%まで急低下した。FRBがバランスシート縮小の詳細を公表したうえ、イエレンFRB議長も緩やかな引き締めいを継続する姿勢を示したことでポジション調整の売りが出たが、下値は限定的だった。

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