FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

★米国株式市場はまちまち:重要イベント通過で警戒感後退

NYダウは89.44ドル高の21271.97、ナスダックは113.85ポイント安の6207.92で取引を終了した。英総選挙の終了で欧州株が全面高となり、米国株もつれて買いが先行した。前日のコミー前FBI長官の議会証言など重要イベントが波乱なく通過し、投資家心理が回復しつつある。金融規制改革法(ドット・フランク法)見直し法案が下院で可決され、金融株に買いが広がった。しかし、一部アナリスが主要ハイテク株への投資リスクを警戒すると、利益確定の動きから上げ幅を縮小する展開となった。VIX指数は10.16から10.70へ上昇した。

 

★NY外国為替市場:ドルは米長期金利に振れる展開

ドル/円は、米長期金利が上昇したことを背景に買いが先行した。一時110.81円まで値を上げたが、一目均衡表雲の下限110.96円が目先のレジスタンスとして意識されると、その後は徐々に上値を切り下げる展開となった。ナスダック指数が3%近く急落すると日経先物もつれて下落。米長期金利も上昇幅を知事メルトリスク回避の売りが進み110.13円まで失速した。引けにかけて株価が買い戻されたことからやや下げ渋った。ユーロ/ドルは、米長期金利の上昇に伴ってじりじりと値を下げ、一時1.1166ドルまで下押しした。ただ、5月31日安値の1.1164ドルがサポートとして意識されると米長期金利の上昇幅縮小も支えに1.12ドル台を回復した。

 

★NY原油先物市場は反発:新規材料難から方向感ない

米国やナイジェリア、リビアで生産が拡大しており、OPEC主導の減産は供給過剰の解消につながらないとの見方は後退していない。米国の政治不安はる程度和らいでおり、週末前のポジション調整的な買いが入ったことが要因となった。需要減少に対する警戒感は高まっていないことも原油価格を下支えした。ただ、新規材料難から大きな方向感は出なかった。米石油会社ベーカーヒューズが発表した石油掘削設備(リグ)稼働数が、8基増の741基となり21週の増加となった。

 

★NY金・銀先物市場は続落:重要イベント通過で売り優勢に

NY金先物市場は1266.70ドルから1284.60ドルのレンジで推移した。コミー前FBI長官の議会証言や英国総選挙などの重要イベントが波乱なく通過したことで市場は不透明感が後退した。また、対ポンドを中心にドル高が進んだことや、NYダウが史上最高値を更新する展開となったことから、金は売りが優勢となった。1300ドルの大台を前にして失速気味となっている。

 

★米国債券市場は続落:ナスダック指数急落で買い戻しも

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前日比0.01%高い(価格は下落)2.20%で終了した。目先のイベントを通過したことを背景に債券売りが先行した。一時2.22%まで上昇する場面もあった。ただ、ナスダック指数が急落すると安全資産とされる債券を買い戻す動きが強まった。

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