FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

★米国株式市場は反発:イベントリスクの後退から買い優勢

NYダウは37.46ドル高の21173.69、ナスダックは22.32ポイント高の6297.38で取引を終了した。ECBが8日開催の定例理事会でインフレ見通しを引き下げるとの観測が強まり買いが先行した。米上院特別情報委員会がコミー前FBI長官の冒頭証言原稿を明らかにし、内容が事前報道の範囲内であるとの見方から買い安心感が広がった。ただ、原油価格が急落したことから上値も限定的だった。VIX指数は10.45から10.39へ低下した。

 

★NY外国為替市場:重要イベント前に値動きの荒い展開

欧州時間に一時109.06円まで下落したが、米長期金利が上昇すると109.68円まで反発した。原油やガソリンの在庫が予想外の大幅増加となり、原油価格が急落するとカナダドル/円の下落につれ109.20円台まで失速した。ただ、米長期金利が一段と上昇したうえ、NYダウや日経先物が底堅く推移したため下値は限られた。米上院特別情報委員会がコミー氏の冒頭証言原稿として『トランプ米大統領は忠誠を要求し、フリン氏捜査の終了希望を述べた』と明らかにし、明日のコミー氏の証言に対する警戒感が和らぐと、ショートカバーの動きが活発化し109.88円まで買い上げられた。ユーロ/ドルは、『ECBは2019年までのインフレ見通しを引き下げる』との一部報道が伝わると急落した。その後、 『ECBはインフレ見通しを引き下げるが、変更はごくわずか』と伝わったことが後押しし、一時1.1282ドルまで買い上げられた。ただ、米長期金利の上昇が重しとなり1.122ドル台まで失速したが、再び1.1270ドルまで再浮上するなど荒い展開となった。

 

★NY原油先物市場は大幅反落:予想外の在庫増を嫌気

全米石油協会(API)の週間統計では、国内全体の原油在庫は462万バレル減少だった。しかし、米エネルギー情報局(EIA)の週報では、国内全体の原油在庫がよす尾に反して329.5万バレル増加、また、ガソリン在庫も予想外の332.4万バレル増加だったことで、売りが急速に強まった。ユーロ安・ドル高も相場の重しとなった。

 

★NY金・銀先物市場は反落:主要通貨に対してドル高を嫌気

NY金先物市場は、1296.90ドルから1291.20ドルまで下落した。米国の原油在庫が予想外の大幅増加となったことを受けて、NY原油価格が急落した際に金の買いにつながった。しかし、明日のECB定例理事会の開催において、インフレ見通しを引き下げる可能性があり、大規模な金融政策を堅持する方針を示すとの見方から、ユーロ安・ドル高となったことも割高感から売りが優勢となった。

 

★米国債券市場は反落:ポジション調整の売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前日比0.03%高い(価格は下落)2.17%で終了した。買い持ちポジションを解消する売りが広がった。コミー前FBI長官による公聴会での議会証言原稿が事前に伝わったことも売り材料となった。

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ