FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

★米国株式市場は下落:新規買い材料のないなか利益確定売り優勢

NYダウは50.81ドル安の21029.47、ナスダックは7.00ポイント安の6203.19で取引を終了した。原油価格の下落や米長期金利の低下を受けて金融株や石油関連株の売りが先行した。また、北朝鮮による新たなミサイル発射実験で地政学リスクが高まったほか、トランプ大統領の娘婿がロシア政府との接触疑惑が浮上し、FBIの捜査対象となっていることが明らかとなり、政権運営への先行き不透明感から軟調推移となった。さらに、新規の買い材料を欠くなか、過去最高値圏にあることもあって利益確定目的の売りが優勢となった。VIX指数は9.81から10.38へ上昇した。

 

★NY外国為替市場:ユーロが買われる展開に

ドル/円は、4月米PCEコアデフレータが予想を上回る結果となったことで、一時111.32円まで値を上げた。しかし、その後は米長期金利が低下したことで売りが優勢となった。また、日経先物やNYダウが弱含んだことも売りを強め、一時110.63円まで下押しした。売り一巡後も上値の重い展開となった。ユーロ/ドルは、欧州時間にショートカバー主導で買いが強まった流れを引き継いだ。その後『ECBは6月の理事会で経済リスク評価を上昇修正し、緩和バイアス解除について議論する可能性がある』との報道が伝わると買いを誘い、一時1.1205ドルまで値を上げた。1.12ドル台では上値の重さが意識されたが、引けにかけても底堅く推移した。

 

★NY原油先物市場は反落:リビアの増産見通しを嫌気

リビアの国営石油公社が増産見通しを示したことや、前週末発表された米国内の石油掘削装置(リグ)の稼働数が19週連続増加が改めて材料視され、売りが先行した。その後は、6月1日の発表となる米エネルギー情報局(EIA)の週報について、国内全体の原油在庫が減少すると予想されていることで、買い戻しに転換した。

 

★NY金は反落・銀先物市場は続伸:利益確定売りが優勢に

NY金先物市場は、1261.80ドルまで下落した後、一旦1267.40ドルまで上昇した。米4月個人所得やk陣消費支出の上昇を受けて、米6月利上げへの警戒から売りが先行した。その後米5月消費者信頼感指数の下振れや欧米株安などから買いに転じたが、反発は限定的となった。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定の売りが優勢だった。終盤に伝えられたブレイナードFRB理事の『バランスシート政策変更時期が鮮明になってきた』『さらなる引き締めが近く適切になりそう』などの発言も重しになった。

 

★米国債券市場は続伸:株安でリスク回避と月末要因の買いが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)2.21%で終了した。NYダウが下落したことを受けて、安全資産とされる債券需要が高まった。また、市場では『月末に絡んだ買いも観測された』との指摘もあった。

 

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