FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

★米国株式市場はまちまち:手控えムードから終日上値の重い展開

NYダウは27.05ドル安の20913.46、ナスダックは44.00ポイント高の6091.60で取引を終了した。米議会の与野党幹部が9月末までの会計予算案で合意し、政府機関封鎖への懸念後退から買いが先行した。ハイテク株を中心に買いが広がったものの、足もとで上昇が目立っていたボーイングなどの銘柄に利益確定の売りが出た。また、原油価格の下落に加えてインフレ指標の一つであるPCEコア指数が前月から減少し、4月ISM製造業景況指数が予想を下振れした。さらに2日から開催されるFOMCでの発表内容を見極めたいとの思惑から手控えムードとなり、終日上値の重い展開となった。VIX指数は10.86から10.14へ低下した。

 

★NY外国為替市場:ムニューシン米財務長官の発言受けドル持ち直し

ドル/円は、米3月個人消費支出や3月個人所得が市場予想を下回ったほか、その後に発表された4月ISM製造業景気指数や3月建設支出も弱い内容だったためドル売りが優勢となった。しかし、ムニューシン米財務長官が『超長期債は米国にとって完全に合理的となり得る』と発言したことが米長期金利の上昇につながった。米長期金利が十上昇するにつれて111.92円まで上昇した。トランプ大統領が『大手金融機関の分割を前向きに検討している』と発言し、NYダウが下げに転じると111.64円まで失速する場面もあったが、底堅く推移した。ユーロ/ドルは、相次ぐ低調な米経済指標を背景にユーロ買いが強まり、一時1.0924ドルまで上昇した。ただ、その後は米長期金利の上昇やユーロクロスの下落が重しとなり1.0900ドルを割り込んだ。

 

★NY原油先物市場は反落:供給過剰懸念を嫌気した売り

リビア産原油の産出増や米石油リグの稼働数増加が嫌気された。また、サウジアラビアのアジア向け引き渡し価格引き下げも原油先物の下落につながった。一方で、OPEC加盟国との協調でロシアは減産合意を順守する意向を示しているものの、供給超過に対する警戒感は払しょくされていない。

 

★NY金・銀先物市場は下落:安全資産としての需要後退で売り優勢

NY金先物市場は、1254.90ドルから1272.40ドルのレンジで推移した。米国株は高安まちまちで方向感に乏しい展開となった。ただ、一時VIX指数が10を割り込むなど先行き警戒感が感いられない地合いとなったことや、米国株が底堅く推移したことから安全資産とされる金に売りが出た。一時1254.90ドルと4月11日以来の安値を付けた。

 

★米国債券市場は反落:ムニューシン米財務長官発言受け売り優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)2.32%で終了した。米政府機関の閉鎖に対する警戒感が後退したほか、ムニューシン米財務長官が『超長期債は米国にとって完全に合理的となり得る』と述べたことが債券売りにつながった。米経済市場は概ね不調な結果となったが、買いでの反応は限定的だった。

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ