FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米FOMC議事要旨を好感した買い優勢

NYダウは52.40ドル高の24886.81、ナスダックは47.50ポイント高の7425.96で取引を終了した。アジア・欧州株がほぼ全面安となり、売りが先行した。米中貿易摩擦を巡る先行き不安や米朝首脳会談実現への懐疑的な見方から投資家心理が悪化し軟調推移した。しかし、FOMC議事要旨では、大半の当局者が堅調な経済見通しを受けて、誓う利上げが必要となるとの認識を示す一方、インフレ率が目標から若干振れたとしても、米経済に影響を与えないとの考えから利上げを急がない姿勢も確認された。そのため、発表後に株価は下げ幅を縮小し、引けにかけて上昇に転じた。VIX指数は13.22から12.58へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク回避のドル売り・円買い一服

ドル/円は、新興国通貨の下落や米朝首脳会談の実現性が薄れたことを受けた地政学リスクの上昇を嫌気したドル・売りが続いた。その後、トルコ中銀がリラ是正の緊急利上げを実施しリラ売りが一段落したほか、FRBが公表した5月のFOMC議事要旨で利上げを急がない方針が確認されたためリスク回避のドル売り・円買いが後退した。ユーロ/ドルは、イタリアの政局不透明感がくすぶったほか、さえない独経済指標などを手掛かりにリスク回避のユーロ売りに押された。ユーロクロスの下落につれた売りも進み、一時1.1676ドルと昨年11月以来の安値を更新した。

 

NY原油先物市場は続落:原油在庫の大幅増加を嫌気した売り

NY原油先物市場は一時7119ドルまで下落した。米エネルギー省が発表した米週間在庫統計で、原油とガソリンの在庫は減少予想に反して増加していたことが嫌気された。原油在庫は前週比で577.8バレル増加となり、市場予想の200万バレルの減少を大幅に上回った。ただ、供給不足に対する市場の警戒感は消えていないため、71ドル台前半では押し目買いが観測されており、下げ幅を縮小する展開となった。

 

NY金先物市場は小幅安:ユーロ安継続を嫌気した売り優勢

NY金先物市場はいちじ1286.70ドルまで売られた。ユーロ安が続いていることが売り材料となった。ただし、米長期金利の低下や地政学リスク増大を意識した買いも観測されており、金の下げ幅は縮小した。

 

米国債券市場は上昇:米利上げ加速への思惑が後退した買い

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.07%低い(価格は上昇)2.99%で終了した。米中貿易協議や米朝首脳会談への不透明感が意識され、リスク回避の債券需要が高まった。また、FOMC議事要旨で利上げ加速への思惑が後退したことも債券買いを誘った。

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