FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:高値圏推移での利益確定売り優勢

NYダウは80.12ドル安の27896.72ドル、ナスダックは30.26ポイント高の11042.50ポイントで取引を終了した。新規失業保険申請件数が予想以上に減少し3月中旬以降初めて100万件を下回ったものの、追加財政策への不透明感がくすぶりまちまちで寄り付いた。ただ、前日に2月21日以来約半年ぶりの高値を付けたあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。新型コロナウイルスの追加経済対策を巡る米政権と議会の協議が難航していることも相場の重石となり、一時180ドル超下げた。シスコシステムズやゴールドマン・サックスが軟調に推移した一方、アップルが上場来高値を更新した。VIX指数は22.28から22.13へ低下した。

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇でドル買い戻しの展開

ドル/円は、アジア時間に一時106.57円と日通し安値を付けたあとはじり高の展開となった。前週分の米新規失業保険申請件数が96.3万件と予想の112.0万件より強い数字となり、3月下旬以来初めて100万件を割り込んだことが分かると、米労働市場の緩やかな回復が示されたとして、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが先行した。低調な米30年債入札やアップルの大型起債を受けて米長期金利が上昇幅を拡大するとドル買いが活発化し、一時107.05円と7月23日以来の高値を付けた。ただ、107円台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。なお、トランプ米大統領はFOXニュースとのインタビューで『私のおかげでドルが強くなり、2期目にはさらにドルが強くなる』などと述べたが、相場の反応は限られた。 

 

ユーロ/ドルは、英国の欧州連合(EU)離脱後の貿易交渉を巡り、マーチン・アイルランド首相が『ジョンソン英首相との次回会談で着地点に到達できると思う』と述べ、楽観的な見通しを示すとユーロやポンドに買いが先行し、一時1.1864ドルと日通し高値を付けた。ただ、米30年債入札が『不調だった』と受け止められたほか、アップルの大型起債が伝わると米10年債利回りが一時0.7257%前後と6月以来の高水準を更新した。米金利上昇に伴うドル買い戻しが入り、ユーロ/ドルは一時1.1794ドル付近まで下押しした。ポンドドルも一時1.3124ドルまで上昇したあと、NY午後には1.3045ドル付近まで押し戻されている。 

 

NY原油先物市場は反落:需要予測が引き下げられ売り優勢

NY原油先物市場は42.09ドル-42.84ドルのレンジ相場となった。国際エネルギー機関(IEA)月報で、今年の世界石油需要予測が日量9190万バレルと、前月から14万バレル引き下げられた。4カ月ぶりの見通し引き下げを受け、NY原油先物は一時42.09ドルまで下落した。ロンドン市場の序盤で42.84ドルまで買われたが、その後は利食い売りが増えたことで伸び悩んだ。ただ、ユーロは底堅さを維持したことから、通常取引終了後の時間外取引でも42ドル台を維持した。

 

NY金先物市場は続伸:急落調整による買い継続

NY金先物市場は1923.00-1974.80ドルのレンジ相場となった。11日に2,000ドルの節目を割り込んで急速に調整を進めたことに対する反動の戻りが継続した。NYダウや原油相場の反落など市場がリスク回避的な動きを見せていることも、安全資産とされる金の買いを促した。アジア市場ではおおむね1950ドルを下回る水準での取引が続いた。ただ、換金目的の売りは一巡しており、金先物はじり高となり、ニューヨーク市場で1974.80ドルまで買われた。 

 

米国債券市場は下落:債券売り材料多く6月以来の高水準

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.72%で終了した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことで売りが先行。低調な米30年債入札や『アップルが起債を実施』との報道を受けて債券売りが加速した。利回りは一時0.7257%前後と6月以来の高水準を付けた。 

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ