FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:良好な7月米雇用統計を好感した買い

NYダウは46.50ドル高の27433.48、ナスダックは97.09ポイント安の11010.98ポイントで取引を終了した。米政権と民主党指導部による新型コロナウイルス追加経済対策法案を巡る交渉が行き詰まり下落で寄り付いた。トランプ大統領は中国のアプリTikTokやWeChatを禁止する大統領令を発令、香港行政長官ら11人の制裁を検討すると発表するなど対中政策強化で米中関係の深刻化懸念が強まったことも売り材料となり、一時160ドル超下落したものの、7月米雇用統計が良好な内容となったことが相場を下支えした。なお、追加経済対策を巡る米与野党協議は物別れに終わったと伝わった。ナスダックは、史上最高値を連日更新してきただけに利益確定目的の売りが優勢となった。 VIX指数は22.65から22.21へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク回避のドル買いが散見

ドル/円は、良好な7月米雇用統計の結果が伝わると売り買いが交錯した後、上昇した。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が新型コロナウイルス追加経済対策を巡る米与野党協議が難航していることを示唆したほか、トランプ米政権が香港政府トップらに制裁を科すと発表した。米中関係悪化への警戒感や追加経済対策協議をめぐる不透明感を背景に、リスク回避のドル買いも散見された。105円台後半に観測されていたストップロスを誘発すると、一時106.05円まで上値を伸ばした。ただ、NY午後に入ると105円台後半での狭いレンジでのもみ合いとなった。
 なお、追加経済対策を巡る米政権と野党・民主党指導部の協議は物別れに終わった。ムニューシン米財務長官は協議後に『トランプ米大統領に追加経済対策での大統領令を提言する」』述べ、『この日の協議で何の進展もなかった』と明らかにした。

 

ユーロ/ドルは、予想を上回る米雇用指標の結果が伝わると全般ドル買いが進んだ流れに沿った。米中対立や米経済対策の協議の難航を背景にリスク・オフのドル買いも見られ、一時1.1755ドルと日通し安値を付けた。米投資銀行からは『ドルはこの40年で最も売られ過ぎの水準』とのレポートが出ており、週末を控えたポジション調整目的のドル買いも入ったようだ。また、大手邦銀がレポートで『短期的なユーロドルのショートを推奨した』ことが一部で話題となっていた。
 トランプ米大統領は6日、国家安全保障に深刻な脅威をもたらす恐れがあるとして、中国企業が運営する短編動画投稿アプリ『TikTok(ティックトック)』と対話アプリ『微信(ウィーチャット)』に関わる取引を禁じる大統領令に署名した。中国の反発は必至で、市場では米中対立が激化するとの懸念が広がった。

 

NY原油先物市場は続落:ギャップを埋め利益確定売が優勢に

NY原油先物市場は41.06ドル-42.22ドルのレンジ相場となった。市場予想より強い7月米雇用統計の結果を受けて、米景気回復への期待感から原油先物は買いが先行し、一時42ドル前半まで強含んだ。もっとも、今週は3月前半の大きなギャップを埋めたことで達成感もあり、上昇一服後は利益確定の売りに押された。米南部や西部の州で再び新型コロナの新たな感染者数が増加したこともエネルギー需要減を連想させ、一時41ドル付近まで値を下げた。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、前週末比4基減少の176基となった。

 

NY金先物市場は反落:良好な米雇用統計を受け売り戻しが加速

NY金先物市場は2024.80-2089.20ドルのレンジ相場となった。時間外取引では2089.2ドルをつけて史上最高値を更新するも、その後は為替相場のドル反発を受けて値を下げた。NY朝に発表された7月米雇用統計が市場予想よりも強い結果となったことで、安全資産とされる金の売り戻しが更に進んだ。週引けにかけては一時2025ドル割れまで下押しした。通常取引終了後の時間外取引で2046.10ドルまで戻したが、戻り売りの興味は残った。

 

米国債券市場は反落:良好な米雇統計を受け売りが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.56%で終了した。米中関係悪化への警戒感や追加経済対策協議を巡る不透明感が債券買いを誘った半面、良好な7月米雇用統計が売りを誘った。来週に米国債の入札が相次ぐことも相場の重石となった。
 

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