FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:新型コロナウイルスの感染拡大報道を嫌気

NYダウは77.91ドル安の25734.97ドル、ナスダックは95.86ポイント高の10154.63で取引を終了した。ウイルスワクチンの開発期待や6月ISM製造業景況指数が予想外に活動の拡大を示す50を回復したことで投資家心理が改善、上昇して寄り付いた。しかし、ニューヨーク市が屋内飲食再開先送りを決定、アリゾナ州の1日のウイルス感染者数の増加が過去最多を記録、ヒューストンでの集中治室患者が受け入れ能力を上回るなど、新型ウイルス関連の報道が嫌気された。また、金融やエネルギーセクターが軟調となる中、携帯端末のアップルがウイルス拡大で再度30店舗の休業を発表したこともダウ平均の上値を抑えた。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し史上最高値で取引を終えた。VIX指数は30.43から29.04へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円は大きな方向感出ず小幅もみ合い

ドル/円は、NYダウ先物の下落に伴うリスク回避目的の円買いが先行すると一時107.32円と日通し安値を付けたものの、新型コロナワクチンへの期待から株価が持ち直すとドル/円にも買い戻しが入り107.60円付近まで下げ渋った。もっとも、NY市場に限れば24銭程度の値幅で大きな方向感は出ていない。なお、6月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数は236.9万人増と予想の300.0万人増を下回ったものの、前月分が276.0万人減から306.5万人増に上方修正された。また、6月米ISM製造業景気指数は52.6と予想の49.9より強い内容となった。 

 

ユーロ/ドルは、香港情勢への懸念などを背景にNYダウ先物が下落するとリスク回避のドル買いが先行し、一時1.1185ドルと日通し安値を付けた。ただ、『米ファイザーやバイオンテックが新型コロナウイルスのワクチン治験で良好な結果を出した』との報道をきっかけにNYダウ先物が持ち直すと一転リスク選好のドル売りが優勢となり、前日の高値1.1262ドルを上抜けて一時1.1275ドルまで上値を伸ばした。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月9日-10日分)で『新型コロナ感染拡大に起因するリセッションからの回復に向けて、FRBはあらゆる手段を行使することで合意』『イールドカーブ・コントロール(YCC)のさらなる分析の必要性で合意した』ことが分かった。 

 

NY原油先物市場は反発:原油在庫減少を好感した買い

NY原油先物市場は39.05ドル-40.58ドルのレンジ相場となった。EIA石油在庫統計で原油在庫は719.5万バレルの取り崩し(前週 +144.2万バレル)に転じた。ガソリン在庫が119.9万バレルの積み増し(前週 -167.3万バレル)へ転じたこともあって下押しも入ったが、持ち直して引けた。ロンドン市場で40.58ドルまで買われた後に39.05ドルまで反落したが、その後は主に39ドル台後半で推移した。 

 

NY金先物市場は反落:リスク回避後退で利益確定売り優勢

NY金先物は1767.90-1807.70ドルのレンジ相場となった。ウイルス治験の初期段階での好結果などを好感して米国株が底堅く、市場のリスク回避姿勢が緩んだ。金は昨日までコロナ第2波への懸念から安全資産として買われ、約9年ぶりの高値1800ドル台まで上伸していたが、利益確定の売りが優勢となった。アジア市場で1807.70ドルまで買われたが、ニューヨーク市場で1767.90ドルまで反落した。

 

米国債券市場は続落:リスク回避の動き後退で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い0.67%で終了した。良好な米経済指標や新型コロナウイルスのワクチン開発への期待から、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

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