FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:全米抗議デモの激化より景気回復期待で買い優勢

NYダウ267.63ドル高の25742.65ドル、ナスダックは56.33ポイント高の9608.38ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスの鎮静化やワクチン・治療薬の開発が進んでいること。また、米経済活動の再開で景気回復を見込んだ買いが入ったほか、米中対立への過度な警戒感が後退したことも買いを誘った。景気変動に敏感な金融株のほか、航空株が堅調だった。原油先物価格の上昇を受け、エネルギー関連株も高い。ただ、全米抗議デモの激化や米中対立がリスクとなり、一時上値を抑えたが引けにかけては上げ幅を拡大し高値引けとなった。 VIX指数は28.23から26.84へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドル/円はストップロス誘発し上値追い

ドル/円は、各国で広がる経済活動再開に伴う景気回復期待が株価を押し上げる中、米中対立への過度な警戒も後退し、リスク・オンの円売りが優勢となった。レジスタンスとして意識されていた108.00円を明確にブレイクしたほか、一目均衡表雲の上限108.23円や200日移動平均線108.37円など重要なテクニカルポイントも上抜けたことで断続的にストップロスを誘発し、一時108.77円と4月9日以来約2カ月ぶりの高値を付けた。なお、白人警官による黒人暴行死事件に対する抗議デモはこの日も継続。NY市では夜間外出禁止令が7日まで延長されたほか、トランプ米大統領は1日に連邦軍の投入も辞さない姿勢を示している。収束の兆しはみえず、長期化すれば経済活動の回復への悪影響が懸念されているものの、現時点で相場への影響は限定的だ。

 

ユーロ/ドルは、世界的な経済再開に伴う景気回復期待や米中対立への過度な警戒が後退したことから欧米株価が上昇すると、リスク・オンのドル売りが優勢となった。目先レジスタンスとして意識されていた3月30日の高値1.1163ドルを上抜けて一時1.1196ドルと3月16日以来の高値を付けた。ただ、節目の1.1200ドル手前では利益確定目的の売りなどが出たため、引けにかけてはやや伸び悩んだ。 

 

NY原油先物市場は反発:経済活動の拡大による需要回復期待から買い優勢

NY原油先物市場は35.28ドル-37.05ドルのレンジ相場となった。今週にも前倒しで開催される見込みの『石油輸出国機構(OPEC)プラス』会議を控え、協調減産が1、2カ月延長されるのではないかという期待感が高まった。リスクオン地合いの強まりも追い風となり、7月限としては3月11日以来の36ドル台に乗せ、引けにかけて36ドル後半まで上昇した。 原油需要の大幅な増大は期待できないとの見方はあるものの、世界各国における経済活動の拡大を受けて原油需給が大幅に悪化する可能性は低いとの見方が広がったことが原油先物の上昇を促した。

 

NY金先物市場は下落:市場全般にリスクオンの地合いから売り優勢

NY原油先物市場は1728.00-1728.00ドルのレンジ相場となった。為替相場ではドルが対ユーロで3月半ば以来の水準まで弱含んだため、ドル建ての金先物は割安感から買い先行も上昇一巡後には売り優勢となった。経済活動の再開で景気回復への期待感が高まり、金融市場全般にリスクオン地合いが進む中、安全資産とされる金への下落圧力が強まった。ニューヨーク市場の午前中に1757.00ドルまで買われたが、その後1728.00ドルまで反落した。

 

米国債券市場は続落:株高を嫌気した売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.68%で終了した。米経済活動の再開に伴う景気回復期待から株価が上昇すると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。

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