FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米経済活動の再開が順調に進むとの期待継続

NYダウは553.16ドル高の25548.27、ナスダックは72.14ポイント高の9412.36ポイントで取引を終了した。米経済活動の再開が順調に進むとの期待が高まったほか、JPモルガン(JPM)のダイモンCEOが比較的速やかな回復の可能性に言及したことも期待を強めた。また、新型コロナのワクチン開発の動向を好感して買いが膨らんだ。市場では『多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が節目の3000と200日移動平均を明確に上回ったことでテクニカル的な買いが加速した』との声が聞かれた。ハイテクなどパンデミックが追い風となった銘柄を売り、航空関連や金融、バリュー株などに投資資金が回帰する動きも目立ったが、引けにかけては上げ幅を一段と拡大する展開となった。VIX指数は28.01から17.62へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好でも108円台に届かず

ドル/円は、米経済活動の再開が順調に進むとの期待が高まったほか、新型コロナウイルスのワクチン開発の動向を好感してNYダウが550ドル超上昇した。投資家のリスク選好姿勢が強まり円売り・ドル買いが優勢になると、一時107.95円と日通し高値を付けた。米10年債利回りが低下に転じたことが相場の重しとなり、108円台に乗せることは出来なかったが、下押しは107.65円付近にとどまるなど底堅く推移した。
 なお、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は大手ベンターとのインタビューで『国債利回りを特定の水準に制限するイールドカーブ・コントロール(YCC)導入を極めて真剣に検討している』と明かした。

 

ユーロ/ドルは、欧州の取引時間帯に、『欧州連合(EU)欧州委員会は新型コロナ危機からの経済再建に向け、7500億ユーロに上る基金の新設を提案する』との報道を受けて、一時4月1日以来の高値となる1.1031ドルまで買われた影響が残った。ただ、NY市場では1.0956ドル付近まで下げたあと1.1009ドル付近まで上げるなど、大きな方向感は出なかった。基金創設には全加盟国の同意が必要で難色を示している国もあり、一本調子でユーロを買う動きにはならなかった。財政規律を重視するオランダの外交官は『各国の立場がかけ離れており、交渉には時間がかかる』との見方を示しており、『財政負担に消極的な加盟国が合意に応じるかはなお予断を許さない』との声も聞かれる。

 

NY原油先物市場は反落:米中関係悪化懸念を嫌気した売り

NY原油先物市場は31.75ドル‐34.32のレンジ相場となった。28日に閉会する中国の全国人民代表大会(全人代)で香港における『国家安全法』が採択される見通しとなっている中、同法案をめぐり、トランプ米政権の対中制裁が強まることが警戒され、リスク資産の原油は売りが優勢となった。27日のアジア市場で34.32ドルまで買われたが、その後は伸び悩んだ。ニューヨーク市場では、米中関係の悪化を嫌気して戻り売りの興味が強まる展開となり、通常取引終了後の時間外取引で、一時31.75ドルまで下落した。 

 

NY金先物市場は反発:米中の緊張感の高まりへの懸念で買い優勢

NY金先物市場は1701.60-1729.10ドルのレンジ相場となった。経済活動の再開やコロナワクチン開発期待を背景とした投資家のリスク選好ムードが継続し、安全資産の金は売りが先行したものの、米中の緊張感の高まりへの懸念で買い意欲も強く、プラス圏に浮上して取引を終えた。27日のアジア市場で1729.10ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では米国株式の上昇を意識して1720ドル台で上げ渋る展開となった。

 

米国債券市場は反発:月末控えポジション調整の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.68%で終了した。月末を控えて機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入ったほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が『国債利回りを特定の水準に制限するイールドカーブ・コントロール(YCC)導入を極めて真剣に検討している』と述べたことが債券買いを誘った。

 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ