FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:投資家心理改善で終日堅調推移

NYダウは529.95ドル高の24995.11ドル、ナスダックは15.64ポイント高の9340.22ポイントで取引を終了した。全米で経済活動の再開が一段と拡大したほか、新型ウイルスワクチンの開発で様々な企業の取り組みが発表されたため投資家心理が改善し、大きく上昇した。4月新築住宅販売件数が予想を上回ったほか、3月から2カ月閉鎖されていたニューヨーク証券取引所の立会取引が本日から一部再開され、終日堅調に推移した。但し、引けにかけてはトランプ政権が香港問題を巡り、中国の高官や企業に制裁を課すことを検討しているとの報道で伸び悩んだ。VIX指数は28.16から28.01へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好のドル売りが優勢に

ドル/円は、全般リスク・オンのドル売りが先行し一時107.34円と日通し安値を付けたものの、22日の安値107.32円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。ユーロ/円などクロス円の上昇につれた買いも入り107.69円まで下値を切り上げた。もっとも、対ユーロなどでのドル売りが相場の重しとなり戻りも限られている。この日発表された4月米新築住宅販売件数は予想を上回った一方、5月米消費者信頼感指数は予想より弱い内容となるなど、強弱入り混じる内容だったこともあり、相場の反応は限定的だった。 

 

ユーロ/ドルは、新型コロナウイルスのワクチン開発が進み、米経済活動の正常化に向かうとの期待から、NYダウが一時710ドル超上昇した。リスク選好のドル売りが優勢となり、一時1.0996ドルと日通し高値を付けた。なお、『欧州中央銀行(ECB)は独連銀抜きで量的緩和(QE)を実施するための緊急案を作成している』との報道が伝わった。独連邦憲法裁判所が今月初旬にECBによる一部QEを違憲と判断していただけに、『ECBと独との関係悪化が懸念される可能性がある』という。 

 

NY原油先物市場は反発:エネルギー需要の拡大期待から買い優勢に

NY原油先物市場は33.38ドル-34.81ドルのレンジ相場となった。新型コロナの感染拡大を抑制するための制限措置が緩和され、経済活動再開の動きが広がっており、エネルギー需要の拡大への期待感が高まっていることが背景となった。また、為替相場で対ユーロなどに対しドル売りが進んだことも、ドル建ての原油先物の買いを後押しした。ただ、米中関係の悪化を警戒した売りが観測された 。

 

NY金先物市場は大幅反落:世界的な経済活動再開で利益確定売り優勢

NY金先物市場は1700.00-1737.20ドルのレンジ相場となった。経済活動再開の動きが広がりつつあることや、新型コロナワクチン開発への期待感などでリスク回避の動きが後退し、安全資産とされる金は利益確定売りに押された。26日のアジア市場で1737.20ドルまで買われたが、主要国の株高を意識した売りが増えたことでその後は下げに転じた。通常取引終了後の時間外取引で1700.00ドルまで下落した。

 

米国債券市場は反落:リスク選好の動きから売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは5営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)0.69%で終了した。世界的な経済活動再開への期待や新型コロナウイルスのワクチン臨床試験が進展との報道を受けて、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。米国株相場の上昇も相場の重石となった。

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