FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:好悪材料が交錯したことで方向感欠く展開

NYダウは8.96ドル安の24465.16ドル、ナスダックは39.71ポイント高の9324.59ポイントで取引を終了した。中国が香港への統制を強化し、米政府や議会が対中強硬姿勢を強める可能性が高まった。米中対立の激化への懸念が相場の重しとなり、一時180ドル超下げた。ただ米国では今週に入り、全50州で外出規制などの段階的な緩和が進展した。その後、米国政府のウイルス対策特別委員会を率いるファウチ所長がウイルスワクチン開発に楽観的な見解を示すと、引けにかけて下げ幅を縮小した。VIX指数は29.53から28.16へ低下した。

 

NY外国為替市場:手掛かり材料欠け様子見ムードの強い展開

ドル/円は、香港株などアジア株式相場の下落を受けて、日本時間夕刻に一時107.29円と日通し安値を付けたものの、NY市場に限れば小幅なレンジでのもみ合いに終始した。メモリアルデーの前営業日で米債券市場が短縮取引となったほか、米経済指標の発表もなく手掛かり材料に欠けたため、積極的な売買は手控えられた。

 

ユーロ/ドルは、中国は本日開幕した全国人民代表大会(全人代)で香港の直接的な統治を強化する新たな治安法制の審議を始めた一方、トランプ米大統領は『非常に強力な対応を取る』と中国をけん制した。米中対立激化への懸念から投資家がリスク回避姿勢を強め、ユーロ売り・ドル買いが進んだ。ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ売りも出て、24時前に一時1.0885ドルと日通し安値を更新した。 なお、この日公表された欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(4月30日分)で、新型コロナウイルス感染拡大による経済対策として3月に導入した7500億ユーロの資産購入について、『景気の一段の悪化が明確となれば、次回6月4日の定例理事会で規模拡大に踏み切る可能性がある』との見解が示されたこともユーロの重石となった。 

 

NY原油先物市場は反落:米中対立の激化懸念から売り優勢

NY原油先物市場は30.72ドル-34.00ドルのレンジ相場となった。香港への国家安全法導入を巡り米中が対立。経済へ悪影響を及ぼし、エネルギー需要が減退するとの不安が原油相場を重くした。22日のアジア市場で34.00ドルから一時30.72ドルまで急落したが、まもなく反発した。米中関係の悪化を巡ってポジション調整的な売りが優勢となった。在庫調整は進展していることから、押し目買いの興味は残されている。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、引き続き大幅減少が継続となり前週比21基減少の237基となった。

 

NY金先物市場は反発:祝日控えポジション調整の動き

NY金先物市場は1722.50-1742.00ドルのレンジ相場となった。米国が香港への国家安全法導入をめぐり中国と対立しており、米中関係の悪化を懸念したリスク回避が意識された。安全資産の金を買う動きが再燃した。22日のアジア市場で1722.50ドルまで下落したが、アジア市場の終盤にかけて1742.00ドルまで戻した。その後は1730ドル台での取引が主体となり、もみ合いが続いた。5月25日のニューヨーク市場は休場となるため、この日はポジション調整的な売買が多かった。 

 

米国債券市場は続伸:対中関係悪化懸念から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)0.66%で終了した。中国が香港への統制を強化し、米政府や議会が対中強硬姿勢を強める可能性が高まった。米中関係が悪化するとの懸念から、安全資産とされる米国債に買いが入った。なお、この日はメモリアルデーの前営業日で短縮取引だった。 

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