FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中対立への懸念が後退したことで買い優勢

NYダウは455.43ドル高の24331.32ドル、ナスダックは141.66ポイント高の9121.32ポイントで取引は終了した。ムニューシン米財務長官とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は前日、中国の劉副首相と電話で会談し、米中貿易交渉の『第1段階の合意』履行を確認したと伝わった。新型コロナウイルス発生源をめぐる米中対立への懸念が後退し、買いが膨らんだ。引けにかけては、景気底入れへ期待感から上げ幅を一段と拡大した。また、米国で半数以上の州が規制緩和に動いていることも好感されて、一時470ドル超上昇した。VIX指数は31.44から27.98へ低下した。 

 

NY外国為替市場:米長期金利上昇で引けにかけてドルは底堅い展開

ドル/円は、米重要指標の発表を控えてしばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、指標結果が伝わると円売り・ドル買いが優勢となった。米労働省が発表した4月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比2050万人減と統計開始以来最大の落ち込みとなったほか、失業率は14.7%と第2次世界大戦後最悪となったが、市場予想ほど悪化しなかったため全般ドルを買う動きが強まり一時106.72円まで値を上げた。
 米10年債利回りが低下に転じ、米2年債利回りが0.1032%と過去最低を更新した場面では106.39円付近まで押し戻されたものの、下押しは限定的だった。米金利が引けにかけて上昇に転じたため再びドルを買う動きが広がり、一時106.74円と日通し高値を付けた。米国の多くの州で経済活動の制限が緩和され始めたことが好感されて、ダウ平均が一時470ドル超上昇したことも相場の支援材料となった。 

 

ユーロ/ドルは、4月米雇用統計が予想ほど悪化しなかったことを受けて、全般ドル買いが先行し一時1.0815ドルと日通し安値を付けたものの、米長期金利が低下に転じると買い戻しが優勢となり1.0876ドルと日通し高値を付けた。ただ、米長期金利が再び上昇に転じると1.0833ドル付近まで押し戻されるなど、米金利動向に一喜一憂する展開となった。 

 

NY原油先物市場は反発:欧米で経済活動再開への期待から買い優勢

NY原油先物市場は23.26ドル-24.99ドルのレンジ相場となった。米国で半数以上の州が規制緩和に動いているなど、欧米で経済活動再開への期待が高まっていることや、米国で原油の生産が縮小していることを背景に、原油先物は買いが優勢となった。欧州市場で23.34ドルまで下げたが、米雇用統計発表後に24.85ドルまで戻した。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、引き続き大幅減少となる前週比33基減少の292基となった。

 

NY金先物市場は反落:米雇用統計発表後に利益確定売り

NY金先物市場は1705.10-1735.50ドルのレンジ相場となった。米中の関係悪化への懸念が後退し、米株が上昇するなど、投資家のリスク選好のムードが高まり、安全資産の金に売り圧力が強まった。ロンドン市場で1735.50ドルまで買われたが、米雇用統計発表後は利益確定を狙った売りが優勢となった。 

 

米国債券市場は反落:経済活動の再開期待と米中対立懸念緩和で売り

米国債券市場で長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)0.68%で終了した。新型コロナウイルスの感染拡大で停滞した経済活動の再開への期待や、新型コロナ感染拡大をめぐる米中対立への懸念が和らいだことが安全資産とされる米国債の売りを誘った。 

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