FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:経済活動の一部再開の進展を好感

NYダウは211.25ドル高の23875.89ドル、ナスダックは125.28ポイント高の8979.66ポイントで取引を終了した。中国の4月輸出が予想外の増加に改善したほか、米国では半数以上の州で経済活動の一部再開が進展しており、市場ではリスク回避姿勢が後退した。また、トランプ大統領が合意打ち切りを警告していた米中貿易協議が、早ければ来週にも電話会談が実施されることが報じられ大きく上昇した。アップルなど大型ハイテク株を中心に幅広い銘柄に買いが入り、一時420ドル超上昇する場面があった。ただ、引けにかけては原油先物価格の失速を受けてやや伸び悩んだ。VIX指数は34.12から31.44へ低下した。 

 

NY外国為替市場:弱い米経済指標には反応せず

ドル/円は、NYダウが一時420ドル超上昇したことを背景に投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが先行した。前日の高値106.63円を上抜けて一時106.66円まで値を上げた。ただ、米金利低下を手掛かりに全般ドル安が進むと、ドル円にも売りが出て一時106.22円付近まで下押しした。なお、この日発表された前週分の米新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者数は予想よりも弱い内容となったが、前日の4月ADP全米雇用報告と同様にマーケットの反応は鈍かった。ただ、明日発表予定の4月米雇用統計では非農業部門雇用者数が2200万人減と過去最悪の結果が予想されており、警戒感も高まっている。 

 

ユーロ/ドルは、NY勢が本格参入すると対欧州通貨を中心にドル買いが先行し一時1.0767ドルと日通し安値を付けたものの、直近安値である4月24日の1.0727ドルにかけては買いオーダーが断続的に観測されているため、下値は限定的だった。米10年債利回りが0.61%台まで低下し、米2年債利回りが一時0.1250%と過去最低を付けると、全般ドルを売る動きが優勢となり一時1.0834ドルと日通し高値を付けた。その後、引けにかけても底堅く推移し高値引けとなった。

 

NY原油先物市場は続落:需要の低迷への警戒感が強く上値重い

NY原油先物市場は22.94ドル-26.74ドルのレンジ相場となった。買いが先行したものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による世界経済の悪化に伴い、エネルギー需要の低迷への警戒感が強く、買いの勢いは徐々に失速し、終盤には前日の終値を下回って取引を終えた。世界経済の持続的な回復に対する市場の期待は高まっていないことも原油先物の上昇を抑える一因となっている。 

 

NY金先物市場は反発:米長期金利低下などを意識した買い優勢

NY金先物市場は1683.90-1733.20ドルのレンジ相場となった。8日に発表される米4月雇用統計への警戒感が強い中、安全資産の金に買いが入った。4月米非農業部門雇用者数変化は2200万人減と、過去最悪の結果が予想されている。ユーロ安・米ドル高が一服したことや、米長期金利の低下を意識した買いが入り、1700ドル台に反発した後もう超動きを見せた。

 

米国債券市場は反発:米FRBのマイナス金利導入の可能性を織り込む買い

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年債金利は前営業日比0.06%低い(価格は上昇)0.64%で終了した。米国株相場は上昇したものの、債券市場では米景気回復に慎重な見方から買いが優勢になった。短期金融市場では米連邦準備理事会(FRB)によるマイナス金利導入の可能性が織り込まれ始めたため、短期債の買いが優勢になった。2年債利回りは一時0.1250%と過去最低水準を付けた。 

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