FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:低調な米経済指標受け売り優勢

NYダウは288.14ドル安の24345.72ドル、ナスダックは25.16ポイント安の8889.55ポイントで取引を終了した。この日発表の3月米個人消費支出(PCE)が過去最大の落ち込みとなったほか、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い結果となり、米雇用環境が急速に悪化している現状が示された。低調な米経済指標を受けて、景気悪化への懸念が改めて広がると幅広い銘柄に売りが出た。前日に約1カ月半ぶりの高値を付けていたため、利益確定目的の売りも出やすかった。VIX指数は31.23から34.15へ上昇した。 

 

NY外国為替市場:ロンドンのフィキシングに絡んだ円売りフロー

ドル/円は、ポンドやユーロに対してドル売りが先行すると、ドル/円にも売りが出て一時106.44円付近まで下げたが、月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円売りのフローが観測されると一転107.22円まで急伸した。その後しばらくは107.00円挟みの小動きが続いていたが、原油先物6月限の急騰をきっかけに米長期金利が上昇に転じるとドル/円にも再び買いが入り、一時107.49円と日通し高値を付けた。 なお、この日発表の3月米個人消費支出(PCE)は前月比7.5%減と予想の5.0%減を下回り、過去最大の落ち込みとなったほか、前週分の米新規失業保険申請件数は383.9万件と予想の350.0万件より弱い結果となり、米雇用環境が急速に悪化している現状が示された。ハセット・ホワイトハウス経済顧問は『4月の米失業率は19%くらいになると予測』と語った。 

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日、金融政策の現状維持を決め、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を7500億ユーロに据え置いた。ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で『今年のユーロ圏経済は5-12%縮小する可能性』『新型コロナウイルスの経済への影響は第2四半期にさらに厳しくなる可能性』『回復のスピードや規模は依然として不透明感が高い』と述べると、ユーロ圏景気の先行き懸念が高まり一時1.0833ドルと日通し安値を付けた。 ただ、前日の安値1.0819ドルが目先サポートとして意識されると一転買い戻しが優勢になった。月末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りが出ると一時15日以来の高値となる1.0972ドルまで急ピッチで値を上げた。その後の下押しも1.0921ドル付近にとどまり1.09ドル台半ばで引けた。 

 

NY原油先物市場は大幅続伸:上下に振れる荒い値動き

NY原油先物市場は15.45ドル-19.44ドルのレンジ相場となった。本日の原油先物価格も方向感なく乱高下した。アジア時間を含め堅調に推移し18ドル台半ばを超えて上昇していたが、軟調な米株式市場の動きに連れ徐々に16ドル台半ばまで一時弱含んだ。しかしニュースや発言もない中で引け間際に19.37ドルまで急上昇するなど、荒い値動きだった。大幅な追加減産による需給改善への期待や外出制限が緩和されつつあることが原油先物を押し上げた。

 

NY金先物市場は続落:利益確定売りで1,700ドル下回る

NY金先物市場は1687.50-1737.00ドルのレンジ相場となった。米株式市場が弱含んで始まったことで、金先物価格は前日比でプラス圏を回復する場面もあった、しかし、徐々に上値も限られてきNY午後に入ると下げ幅を拡大し5日続落で引けた。ジョンソン英首相が『ウイルスの感染は過ぎた』と発言したことや、NYでのウイルス感染による死者数の減少などが、金売りにつながったとの声もあった。ニューヨーク市場で一時1687.50ドルまで売られた。その後は株安を意識して下げ幅はやや縮小した。 

 

米国債券市場は続落:ボーイングの大型起債を嫌気した売り

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は下落)0.64%で終了した。欧米株価の下落を受けて債券買いが先行したものの、ボーイングの大型起債が伝わると需給悪化を見越した売りが出た。原油先物価格の急伸も債券売りを誘った。 

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