FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:新型ウイルスの治療薬の開発の進展を好感

NYダウは532.31ドル高の24633.86ドル、ナスダックは306.98ポイント高の8914.71ポイントで取引は終了した。米医薬大手ギリアド・サイエンシズが『新型コロナウイルス治療薬の臨床試験(治験)で有効性を示した』と発表したことを受けて、治療薬の開発が進展し、新型コロナ感染の収束につながるとの見方が広がった。トランプ政権において新型コロナウイルス対策チームを率いるファウチ氏も『結果が著しい効果があることを示唆している』と楽観的な見解を示した。また、原油価格の反発やアルファベットの1-3月期決算が予想を上回る増収となったことも投資家心理の改善につながり、一時660ドル超上げた。なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果についてはほぼ市場予想通りの内容で、株式相場への影響は限定的だった。VIX指数は33.57から31.23へ低下した。 

 

NY外国為替市場:FOMC結果公表後も反応は限定的

ドル/円は、日本時間夕刻に一時106.32円と3月17日以来の安値を付けたものの、そのあとは1-3月期米国内総生産(GDP)速報値の発表直前に思惑的な買いが入り106.75円まで値を上げた。ただ、米GDPが予想以上に弱い内容だったことが伝わると106.52円付近まで押し戻された。もっとも、そのあとは米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見を控える中、徐々に値動きが鈍った。FRBは28-29日に開いたFOMCで、市場予想通りFFレート誘導目標を0.00-0.25%に据え置き、米国債などを制限なく購入する量的緩和政策などの維持を決めた。声明文では『新型コロナウイルスは、米経済の急激な落ち込みと失業の増大をもたらす』『公衆衛生危機は短期的には経済活動、雇用、インフレに大きな影響を及ぼし、中期的な経済見通しに大きなリスクをもたらす』と強い懸念を表明した。金融政策も『経済を支えるために適切な手段をとるだろう』とし、追加策を引き続き検討する考えを示した。ただ、結果についてはほぼ市場予想通りの内容で、相場への影響は限定的だった。なお、パウエルFRB議長は記者会見で『経済活動は第2四半期に前例のないペースで低下する可能性がある』と述べ、『追加措置が必要になる可能性が高い』との見方を示した。 

 

ユーロ/ドルは、米GDP発表前に思惑的なドル買いが進んだ影響を受けて一時1.0840ドル付近まで下げる場面もあったが、そのあとは米重要イベントを控えて様子見ムードが広がり、1.08ドル台半ばでのもみ合いに。FOMCを通過すると株高を背景にリスク・オンの動きが広がりユーロ買い・ドル売りが進行し、一時1.0886ドルと日通し高値を更新した。

 

NY原油先物市場は大幅反発:原油在庫が予想ほど増加しなかったことを好感

NY原油先物市場は12.67ドル-16.78ドルのレンジ相場となった。アジア時間から堅調に推移していた原油先物相場だったが、米エネルギー省が発表した週間在庫統計で、原油在庫が予想ほど増えなかったうえ、ガソリン在庫が予想に反して減少したことで、一時16.78ドルまで上昇した。また、各国で外出制限措置が緩和されつつあることも買い材料となった。もっとも米連邦公開市場委員会(FOMC)では、米経済に対する悲観的な発言も目立ったことで、高値から一時2ドル程度下がる場面もあり、市場の値動きは激しかった。 

 

NY金先物市場は弱含み:米国株高を嫌気した売り

NY金先物市場は1708.20-1733.50ドルのレンジ相場となった。NY勢参入前は前日比終値近辺で方向感なく上下していたが、米医薬大手が新型コロナウィルス治療薬開発に一歩前進したという報道が流れ、株式市場の上げ幅が広がるとリスクオンの流れで金先物価格は弱含んだ。 ユーロの反発や米金融政策を巡る思惑などで反転した。

 

米国債券市場は小反落:リスク選好の動きから売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは小反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.62%で終了した。米国株が大幅に上昇したことで、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果についてはほぼ市場予想通りの内容だった。 

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