FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は続落:引き続き原油相場急落と米景気悪化懸念を嫌気

NYダウは631.56ドル安の23018.88ドル、ナスダックは297.50ポイント安の8263.23ポイントで取引は終了した。原油相場の急落が米景気悪化や石油関連企業の信用不安につながるリスクが警戒されて売りが膨らんだ。これまで相場の戻りをけん引してきたアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどハイテク株に売りが出て、指数を押し下げた面もある。1-3月期決算で売上高が予想を下回ったIBMも軟調だった。 トランプ大統領が石油・ガス会社の資金援助計画・策定を指示したことや石油輸出国機構(OPEC)が減産拡大を検討するとの報道を受けて、昨日史上初のマイナス圏で取引を終えたNY原油先物5月限はプラスに転じたものの、6月限は前日比40%安となった。米上院が4840億ドル規模の追加中小企業救済策で合意したものの、引けにかけても軟調推移となった。VIX指数は43.83から45.41へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避のドル買いで底堅い展開

ドル/円は、欧州市場では、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による景気後退懸念や原油暴落を受けたリスク回避目的の円買いが優勢となり、一時107.25円と日通し安値を付けた。ただ、NY市場ではリスク・オフのドル買いが優勢となり107.89円まで持ち直した。前日の高値107.95円が目先レジスタンスとして意識されたほか、NYダウが一時700ドル超下落したことが嫌気されると107.53円付近まで下げたものの、下押しは限定的となり、一時107.89円と日通し高値を更新した。なお、WTI原油先物6月限はこの日も軟調に推移。一時1バレル=6.50ドルと前日比で68%超暴落した。 トランプ米大統領は本日、歴史的な原油価格の下落を受けて米石油とガス産業に資金支援する方針を示した。また、米ホワイトハウスと議会指導部は同日、5000億ドル規模の追加の新型コロナ対策で合意した。トランプ氏は迅速な法案成立を要請し、さらなる支援策に向けて議論を進めるよう求めた。 

ユーロ/ドルは、原油価格低迷を嫌気しリスク・オフのドル買いが入ると一時1.0817ドルと日通し安値を付けたものの、ユーロポンドの上昇につれた買いが入ると1.0880ドルの本日高値まで一転上昇した。ただ、その後は1.0842ドル付近まで押し戻されるなど、大きな方向感は出なかった。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:原油需要回復期待薄で急落が6月限にも波及

NY原油先物市場は6.50ドル-22.58ドルのレンジ相場となった。5月限は本日が最終取引日ということもあり時間外から買い戻しが先行した。トランプ米大統領の発言『戦略石油備蓄に最大7500万バレルの積み増しを検討』なども上昇のきっかけとなった。 一方、中心限月の6月限は一時前日比68%超安となる6.50ドルまで暴落した。『石油輸出国機構(OPEC)が来月の総会で追加減産を協議する可能性』も報じられたが戻りは限定的だった。新型コロナウイルス感染拡大による世界経済へのダメージは大きく、足もとで原油需要回復の見込みは薄い。需給バランスの崩れが意識されて本日も売りが売りを呼ぶ展開となった。引けにかけては買い戻されるも前日比では43%超安で終了した。 

 

NY金先物市場は反落:現金化による利益確定売り優勢

NY金先物市場は1666.20-1718.00ドルのレンジ相場となった。外国為替相場でドル高が進行すると、ドル建ての金先物も割高感から売り圧力が高まった。原油安・株安とリスクオフ地合いは強まったことで1718.00ドルまで買われた。しかし、3月の資産現金化の動きが思い起こされて、利益確定を狙った売りが優勢となり、1700ドルを挟んだ水準で推移した。 

 

米国債券市場は続伸:リスク回避の動きから買い優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%低い(価格は上昇)0.57%で終了した。原油価格の下落に歯止めがかからず、米国株も軟調に推移したことから、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。 

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