FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:低調な米経済指標受け下げ幅拡大

NYダウは445.41ドル安の23504.35ドル、ナスダックは122.56ポイント安の8393.18ポイントで取引を終了した。大手行の1-3月期決算で収益悪化が鮮明となったほか、新型コロナウイルスの経済への影響をめぐる懸念や原油安などを背景に売りが先行した。低調な米経済指標が相次いだことも売りを誘い、一時710ドル超下げた。市場では『米銀が貸倒引当金を大幅に積み増したという報道もあり、投資家の警戒感が強まった』との声も聞かれた。ただ、NY州の感染拡大状況が安定したとの報道を受け、引けにかけて下げ幅をやや縮小した。VIX指数は37.76から40.84へ上昇した。 

 

NY外国為替市場:米国株下落でリスク回避のドル売り

ドル/円は、欧州市場ではリスク・オフの様相が強まる中、ドル需要を意識したドル買いが優勢だった。NY市場でもこの流れを引き継いで円売り・ドル買いが先行し、前日の高値107.78円を上抜けて一時107.87円まで上値を伸ばした。ただ、米株式市場がオープンし、NYダウが一時710ドル超下落すると徐々にドル売りが優勢になった。米10年債利回りが一時0.61%台まで低下幅を広げたことも相場の重石となり、107.25円付近まで下押しする場面があった。 なお、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁は15日、共同声明を発表し、新型コロナ感染拡大による世界経済への悪影響を克服するため『全ての利用可能な政策手段を用いる』と表明した。

ユーロ/ドルは、 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による景気後退懸念や原油安を受けたリスク回避の動きが先行し、安全資産とされるドルが買われると一時1.0857ドルと日通し安値を付けた。ただ、NY勢が本格的に加わる時間になると一転ドル売りが優勢になった。この日発表された米経済指標が軒並み低調な内容だったことを受けて次第にドル売りが広がった。ドイツで来週から新型コロナ感染拡大を防ぐために導入した行動規制が一部緩和されることになったこともユーロ買い戻しを誘い、一時1.0939ドル付近まで持ち直した。
 なお、3月米小売売上高は前月比8.7%減と予想の8.0%減を下回り、統計開始以来最大の下げ幅となった。4月米NY連銀製造業景気指数は▲78.2と予想の▲35.0を大幅に下回り、統計開始後の最低水準を記録した。
 また、米連邦準備理事会(FRB)はこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)で、『新型コロナ感染症のパンデミックの結果、経済活動は米国の全ての地域において急激かつ突如として縮小した』『全ての地区で見通しがかなり不透明。その大半が今後数カ月の間に状況が悪化するとの見通しを示した』と指摘した。 

 

NY原油先物市場は小幅続落:原油在庫が過去最大を嫌気した売り

NY原油先物市場は19.20ドル-20.89ドルのレンジ相場となった。国際エネルギー機関(IEA)の月例報告によると、新型コロナの影響で今年の石油需要は前年比で日量930万バレルの減少を予想した。この減少幅は過去最大で供給過剰懸念が引き続き原油の上値を圧迫した。EIAが発表した原油在庫が過去最大となる1924.8万バレルの積み増しとなったことも、原油の重石となった。 1バレル=19.87ドルと、終値で20ドル大台を割り込み、約18年2カ月ぶりの安値となった。 

 

NY金先物市場は大幅反落:利益確定売りが優勢に

NY金先物市場は1731.60-1759.80ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロなどで上昇し、ドルの代替資産とされる金は売りが優勢となった。昨日まで約7年半ぶりの高値をつけたこともあり、利益確定の売りが強まった。米長期金利の低下や株安は特に意識されなかった。

 

米国債券市場は大幅続伸:米景気懸念が強まり買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは大幅続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.12%低い(価格は上昇)0.63%で終了した。低調な米経済指標が相次いだことを受けて、米景気懸念が強まり、『安全資産』とされる米国債に買いが集まった。 

 

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