FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:新型コロナウイルス感染拡大ペース鈍化期待

NYダウは558.99ドル高の23949.76、ナスダックは323.32ポイント高の8515.74ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスの感染者数が米国内で最も多いNY州のクオモ知事が前日の記者会見で『最悪期は脱したと確信している』と表明した。新型コロナ感染拡大ペースの鈍化期待から買いが優勢となった。米国での経済活動が早期再開されるとの見方が強まったことも買いを後押しした。また、トランプ大統領が経済再開に向けて新たな委員会を発足させ協議が開始されたことも好感され、終日堅調推移となった。VIX指数は41.17から37.76へ低下した。  

 

NY外国為替市場:米FRBの大規模な資金供給を受けドル売り優勢に

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)による大規模な資金供給を受けてドル需給の逼迫懸念が和らぐ中、全般ドル売りが優勢となった。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りも入り、一時106.93円と1日以来の安値を付けた。 なお、国際通貨基金(IMF)はこの日、世界経済見通しを発表し、新型コロナウイルスによる危機で、2020年の世界の成長率がマイナス3.0%と急激に落ち込むとの最新予測を示した。また、ゲオルギエワIMF専務理事は『大恐慌以来、最悪の不況になる可能性が高い』と警鐘を鳴らした。 

ユーロ/ドルは、アジア時間に発表された3月中国貿易統計で輸出入がともに予想を上回り、世界経済の先行きへの過度な警戒感が和らいだため、投資家のリスク志向が改善しユーロ買い・ドル売りが優勢となった。ドル需給の逼迫懸念後退に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.0987ドルと1日以来の高値を付けた。なお、ポンド/ドルは一時1.2648ドルと3月12日以来約1か月ぶりの高値を更新している。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:供給過剰を解消するには不十分で売り優勢

NY原油先物市場は19.95ドル-23.08ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国による『OPECプラス』は日量970万バレルの減産で合意したものの、新型コロナの影響で原油需要が急減し、供給過剰を解消するのは不十分との見方が根強く、中心限月の5月限は一時20ドル大台を割り込むなど大幅安となった。OPECプラスによる大規模な減産合意への期待は残されているものの、世界経済のマイナス成長によって2020年の原油需要は大幅に減少するとの見方は変わっていない。

 

NY金先物市場は小幅続伸:米長期金利低下とドル安を好感した買い

NY金先物市場は1747.10-1788.80ドルのレンジ相場となった。新型コロナの感染拡大を背景に世界経済の大幅な鈍化が懸念される中、安全資産とされる金の買いが継続した。国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しを発表し、2020年の成長率は-3.0%に落ち込むと予想した。為替市場でドル安が進んだことも、ドルの代替資産とされる金の買いを後押しした。米長期金利の低下を意識した買いが入ったことや、ユーロ高・米ドル安の相場展開となったことから、一時1788.80ドルまで一段高となった。ただ、その後は伸び悩みとなった。米国株高を受けて利益確定を狙った売りが観測されており、一時1747.10ドルまで反落した。

 

米国債券市場は反発:IMFの世界成長率の予測を下方修正で買い

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.75%で終了した。国際通貨基金(IMF)が新型コロナウイルスによる移動制限を理由に世界の成長率予測をマイナス3.0%に引き下げ、『大恐慌以来、最悪の不況になる可能性が高い』と指摘したことで、相対的に安全とされる米国債に買いが入った。 

 

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