FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:FRBの追加支援策の導入を好感

NYダウは285.80ドル高の23719.37ドル、ナスダックは62.67ポイント高の8153.57ポイントで終了した。米連邦準備制度理事会(FRB)が追加支援策を導入し、中小企業、州・地方自治体支援などで最大2.3兆ドルの融資を提供すると発表したほか、パウエル議長が融資可能な規模は『無制限』としたことで寄り付きから上昇し、指数は一時570ドル超上昇した。その後も高値圏での底堅い動きが続いていたが、石油輸出国機構(OPEC)加盟国・非加盟国の臨時会合でサウジアラビアとロシアが減産で合意したものの規模が予想を下回ったことで原油価格が下落したほか、連休を前にポジションを手仕舞う動きも広がり、引けにかけて上げ幅を縮小した。VIX指数は43.35から41.67へ低下した。

 

NY外国為替市場:FRBの新たな供給プログラム発表でドル売り優勢

ドル/円は、NY序盤に米連邦準備制度理事会(FRB)が最大2.3兆ドルを供給するプログラムを発表した。このプログラムは投資不適格級に最近格下げされた社債の一部も対象となるなど、前例のない措置を講じたことで足元のドル需給ひっ迫懸念が後退し、ドルが全面安となった。その後も売りの流れは継続し、一時108.15円まで下げ足を速めた。もっとも、日足・一目均衡表転換線の108.15円がサポートとして意識されると、引けにかけては108円台半ばまで下げ渋った。 

ユーロ/ドルは、FRBによるドル資金供給の拡充策を受けてドル安が加速すると上値を試す展開に。一時1.0952ドルまで上げ幅を拡大した。また、ポンド/ドルは1.2484ドル、豪ドル米ドルは0.6363米ドル、NZドル米ドルは0.6096米ドルまでそれぞれ上昇した。 なお、本日行われていた欧州連合(EU)財務相会合で5900億ドル規模の新型肺炎対策の経済パッケージが合意に至った。 

 

NY原油先物市場は大幅下落:市場予想の減産量よりも少なく失望売り

NY原油先物市場は22.57ドル-28.36ドルのレンジ相場となった。OPECプラスのテレビ会議で『サウジアラビアとロシアは原油の大幅な削減で合意』との一部報道を受けて28.36ドルまで急伸した。ただ、日量1000万バレルの減産で合意したことが伝わると、一部で2000万バレル程度の減産を予想する声もあっただけに一転して失望売りが優勢になった。NY原油先物は一時28.36ドルまで買われたが、米国の減産は保証されていないことや、需要減少予測に見合った減産規模ではないとの見方が浮上したことから、利益確定を狙った売りが強まり、時間外取引で22.57ドルまで急落した。

 

NY金先物市場は大幅高:心理的節目の1700ドル台回復

NY金先物市場は1676.50-1754.50ドルのレンジ相場となった。米連邦準備理事会が新たな2.3兆ドル規模の資金供給策を決定したことで、為替はドル売り優勢になった。ドル安がドル建て金価格を押し上げた。米新規失業保険申請件数が660.6万件と高水準を維持したことも、安全資産とされる金の購入を強める一因となり、一時1754.50ドルまで上昇した。また、換金目的の売りは一巡していることや、米長期金利の伸び悩みを意識して安全逃避的な買いが入った。節目の1700ドルを超えた後は一段高となり、2012年10月以来の高値を記録した。

 

米国債券市場は反発:原油先物の急落を受け買い戻しが優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは6営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)0.72%で終了した。足元の相場下落に対する調整買いが時間外取引から強まった。NY序盤に売りが強まる場面があったが、原油先物相場の急落により再び債券を買い戻す動きが強まり、利回りは一時0.70%台まで低下した。なお、本日は聖金曜日の前営業日で短縮取引だった。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ