FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:原油価格持ち直しでリスク選好の買い

NYダウは469.93ドル高の21413.44ドル、ナスダックは126.73ポイント高の7487.31ポイントで取引を終了した。前週分の米新規失業保険申請件数が前週から倍増し過去最多となったことで売りが先行したものの、その後持ち直した。トランプ大統領が『サウジアラビアとロシアが日量1000万バレルの減産で近く合意する』との見通しを示すと、原油先物相場が急伸した。原油高に伴いシェブロンやエクソンモービルなど石油株が大幅高となり、指数を押し上げた。米長期金利が上昇し、利ざや悪化懸念がやや後退したJPモルガン・チェースなど金融株も買われた。VIX指数は57.06から50.91へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国株高・原油高を好感したドル買い優勢

ドル/円は、前週分の米新規失業保険申請件数が664万8000件と過去最多となったことを受けて欧米株価が失速した。クロス円の下落とともにドル円にも売りが先行し一時106.98円と日通し安値を付けた。ただ、前日の安値106.92円が目先サポートとして意識されると徐々に買い戻しが優勢になった。トランプ米大統領の原油に関するコメントを受けて一時は200ドル超下落したNYダウが持ち直し、530ドル超上昇すると円売り・ドル買いが活発化し、前日の高値107.94円を上抜けて一時108.09円まで上値を伸ばした。

ユーロ/ドルは、独政府が新型コロナウイルスの感染拡大を理由に『今年の独GDPは大幅に縮小する』と予想したため全般ユーロ売りが先行した。感染拡大に歯止めがかからない欧州から『フランスでの感染による死亡者が5387人に急増』と新たなニュースが伝わると、再び売り圧力が増して一時1.0821ドルと1週間ぶりの安値を更新した。 

 

NY原油先物市場は大幅上昇:原油の減産観測で買い戻し優勢に

NY原油先物市場は20.76ドル-27.39ドルのレンジ相場となった。トランプ米大統領が『サウジアラビアとロシアが1000万バレルかそれ以上の幅で減産に合意するだろう』との見通しを示すと相場が急騰した。一時は前日比34%を超える上昇率となる27.30ドル台まで買われた。しかしながらその後、一部通信社から『ロシアが(これまでの42ドル台とされた)国家予算編成の前提となる原油価格を20ドル台へ引き下げる』との観測報道が伝わると、石油価格競争の激化が意識されて高値から4ドル近く値を落とした。もっとも、引け前に伝わったテキサス州当局者の発言『露エネルギー相と日量1000万バレルの減産について協議』を受けて相場は買い優勢で終了した。 

 

NY金先物市場は大幅反発:米雇用関連市場の大幅悪化から買い優勢

NY金先物市場は1595.20-1645.60ドルのレンジ相場となった。米労働省が発表した前週分の米新規失業保険申請件数は、664万8000件と先週から倍増し過去最多を更新した。新型コロナウイルスの感染拡大で労働市場の悪化は今後も続くとの見方も高まり、安全資産の金に買いが集まった。また、ニューヨーク市場では換金目的の売りが一巡し、自律反発を狙った買いが入った。米国株式は反発し、為替相場はドル高に振れたものの、特に嫌気されなかった。

 

米国債券市場は反落:米国株高と原油高から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.59%で終了した。米国株の上昇や原油先物価格の急騰を受けて債券売りがやや優勢になった。なお、前週分の米新規失業保険申請件数が倍増し過去最多となったことへの反応は限定的だった。

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