FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:景気懸念の高まりから売り優勢

NYダウは973.65ドル安の20943.51ドル、ナスダックは339.52ポイント安の7360.58ポイントで取引は終了した。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界の新型コロナウイルスの感染者数は91万人、米国は20万人を超えた。感染者数の増加に歯止めがかからず、人やモノの移動制限の長期化による景気懸念の高まりから売りが優勢となり、NYダウは一時1132ドル下げた。この日発表の3月ADP雇用統計や3月ISM製造業景況指数も警戒された通り景気の悪化を裏付ける結果となり、引けにかけて下げ幅を一段と拡大した。VIX指数は53.54から57.06へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の円買い強まる

ドル/円は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界の新型コロナウイルスの感染者数は91万人、米国でも20万人を超えた。米当局者は前日、米国の死者数が10-20万人に達する可能性を指摘したほか、トランプ米大統領は今後の対応について『地獄の2週間になるかもしれない』と述べ、正念場になるとの認識を示した。米国の感染拡大に対する警戒感からリスク回避目的の円買い・ドル売りが優勢になり、一時106.89円と3月18日以来の安値を付けた。NYダウが一時1100ドル超下落し、米10年債利回りが0.57%台まで低下したことも相場の重石となった。

ユーロ/ドルは、ユーロ圏の経済停滞がさらに長引くとの懸念が高まる中、全般ユーロ売りが進んだ流れに沿って一時1.0903ドルと日通し安値を付けた。  

 

NY原油先物市場は下落:原油在庫増やサウジアラコムの増産を嫌気した売り

NY原油先物市場は19.90ドル-21.55ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)が発表した週間石油在庫統計では、原油が2016年10月以来の水準となる1383.3万バレルの積み増し幅を記録した。石油輸出国機構(OPEC)プラスによる協調減産が終了したことも意識され、原油先物は20ドル割れまで売りが強まった。しかしながら、プーチン露大統領が現状の原油相場への懸念を表明すると、ロシア側の歩み寄りを期待した買い戻しが強まった。引けにかけて売りに押されるも、引け後の時間外では底堅さを取り戻している。

 

NY金先物市場は小幅続落:利益確定売りで上値の重い展開

NY金先物市場は1576.00-1612.40ドルのレンジ相場となった。本日も為替相場でドルがユーロに対して堅調に推移するなか、ドル建ての金先物には売りが先行した。懸念されていた米経済指標が予想ほど悪くなかったことも安全資産の金の上値を圧迫した。米株が下げ幅を拡大すると金先物も買い戻される場面もあったが、先週後半から見られる利益確定売りが戻りを抑えた。

 

米国債券市場は続伸:米景気低迷の長期化懸念から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い(価格は上昇)0.58%で終了した。新型コロナウイルスの感染が一段と広がり、米景気低迷が長期化するとの懸念が強まると、安全資産とされる米国債に買いが集まった。米国株相場の下落も債券買いを誘った。 

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