FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:月末・四半期末に絡んだ売りに大幅下落

NYダウは410.32ドル安の21917.16ドル、ナスダックは74.05ポイント安の7700.10ポイントで取引を終了した。四半期ベースでは23%下落し、1987年以来の大幅安となった。各金融機関のエコノミストが、4-6月期の国内総生産(GDP)が30%前後のマイナス成長に落ち込むとの悲観的見通しを相次いで示したことから売りが先行した。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことへの懸念が強まったことも売りが膨らんだ。良好な米経済指標が相次いだことで、序盤はプラス圏で推移する場面もあったが、月末・四半期末に絡んだポジション調整の影響もあり、引けにかけて大幅下落に転じた。個別ではアメリカン・エキスプレスやホーム・デポ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などの下げが目立った。VIX指数は57.08から53.54へ低下した。

 

NY外国為替市場:米FRBが海外中銀にドルを供給すると伝わるとドル売り

ドル/円は、ユーロ/ドルの下落をきっかけに円売り・ドル買いが先行し、一時108.73円と日通し高値を付けたものの、米連邦準備理事会(FRB)が海外の中央銀行にドルを供給する緊急措置を決定すると、米国債利回りの低下とともにドル売りが優勢となった。月末・期末を迎えたロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りのフローも入り、一時107.46円と日通し安値を更新した。その後の戻りも107.93円付近にとどまり、終始さえない展開が続いた。
 なお、この日の金融市場ではゴールドマン・サックス(GS)がリポートで、4-6月期米国内総生産(GDP)予測を従来の前期比年率24%減から34%減に下方修正したことが話題に。米経済低迷が長引く可能性が改めて意識された。 

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を下回ったことで、欧州中央銀行(ECB)による大規模な金融緩和が長期化するとの見方からユーロ売り・ドル買いが先行し、一時1.0927ドルと日通し安値を付けた。ただ、FRBが世界的なドル不足を解消するため海外中銀にドルを供給すると伝わると一転買い戻しが優勢に。5時前に一時1.1032ドル付近まで上昇し、東京市場で付けた日通し高値1.1053ドルに近づいた。 

 

NY原油先物市場は反発:自立反発狙いの買い

NY原油先物市場は20.03ドル-21.89ドルのレンジ相場となった。昨日に約18年ぶりの安値水準まで下落した後でもあり、時間外から買い戻しが優勢となった。『米露首脳による電話会談では、石油市場の安定が重要との共通認識が確認』との報道も、ロシア側の変化を期待させて買いに繋がったもよう。もっとも、新型コロナウイルス感染拡大による需要減は避けることができず、NY勢の本格参入後は上値の重さが再び意識された。 

 

NY金先物市場は大幅続落:ドル高と歓喜目的の売りが優勢

NY金先物市場は1588.20-1645.60ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルがユーロに対して上げ幅を1%程度まで一時拡大したことを背景に、ドル建ての金先物は時間外から軟調に推移。ポジション調整の売りも散見されるなか、堅調なまま引けた欧州株式市場の動きも安全資産とされる金の上値を抑えた。また、ニューヨーク市場では換金目的の売りが増え、心理的節目となる1,600ドルを下回った。

 

米国債券市場は反発:米国株の下落から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06&低い(価格は上昇)0.67%で終了した。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことへの懸念が強まり、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。米国株の下落も債券相場の支えとなった。

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