FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は反落:米国の景気悪化を示す経済指標受け売り優勢

NYダウは915.39ドル安の21636.78、ナスダックは295.16ポイント安の7502.38ポイントで取引を終了した。米国の新型コロナウイルスの感染者数が中国を上回って世界最多となるなど、感染拡大に歯止めが掛からないことへの懸念が強まり売りが膨らんだ。また、米国経済の活動が停止する中、3月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が3年半ぶり低水準となるなど景気悪化を示す証拠がさらに出ると、NYダウの株価は1000ドル近く下げた。その後、米下院が上院に続き米国の経済救済策案を可決すると下げ幅を縮小する展開となったが、週末を前にポジションを手仕舞う動きが広がり、引けにかけて急落した。ムニューシン米財務長官が大型経済対策法案について『航空業界の救済ではない』と強調すると、ボーイングが10%を超す急落となり、1銘柄でダウ平均を112ドルほど押し下げた。 VIX指数は61.00から65.54へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避の円買い復活

ドル/円は、欧米株価の下落を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まると円買い・ドル売りが先行した。FRBのバランスシートが5兆2500億ドルを超えて過去最高を更新する中、米追加緩和の可能性も意識されたためドルを売る動きが広がった。3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が89.1と速報値の95.9から悪化し、予想の90.0を下回ったこともドル売り圧力を高め、一時107.72円と日通し安値を付けた。 

ユーロ/ドルは、ユーロ/円やユーロ/スイスフランの下落につれた売りが先行し一時1.0954ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は一転上昇した。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったほか、予想を下回る米指標が相場を下支えした。市場では『3月末を控えてドル資金確保のめどが付き、ドル売りにつながった』との声が聞かれ、一時1.1147ドルと17日以来の高値を更新した。 

 

NY原油先物市場は続落:価格競争の長期化するとの思惑から売り優勢

NY原油先物市場は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が加速していることへの懸念で米国株が大幅反落し、同じくリスク資産とされる原油も続落した。サウジアラビア政府が『協調減産についてロシアと協議していない』と明らかにしたことで、サウジアラビアとロシアの価格戦争が長期化する可能性が嫌気され、供給過剰懸念に売りが加速し、20ドル割れ寸前となった。米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週比40基減少の624基となった。3月14日の683基から59基減少した。

 

NY金先物市場は反落:利益確定売りで上値の重い展開

NY金先物市場は1611.40-1647.20ドルのレンジ相場となった。金相場は今週大幅高が進んだ反動で売りが優勢となった。ただ、新型コロナの感染拡大への懸念が強く米国株が大幅反落し、為替相場ではドル安が進んだことも手がかりとした買いも入り、下値は限られた。27日のアジア市場で1647.20ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では利益確定や換金目的の売りが増えたことで金先物の上値は一段と重くなった。 

 

米国債券市場は大幅続伸:リスク回避が強まり買い優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは大幅に続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.17%低い(価格は上昇)0.68%で終了した。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないことへの懸念が強まり、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。 

 

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