FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:投資家心理改善から買い戻し優勢

NYダウは1351.62ドル高の22552.17ドル、ナスダックは413.24ポイント高の7797.54ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスに対処する2兆ドルの米景気刺激策が近く成立するとの期待から幅広い銘柄に買いが入った。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が追加緩和の可能性に言及したことも投資家心理の改善につながり、一時1400ドル近く上げた。なお、市場では米新規失業保険申請件数が300万件を超え過去最多となったことについて、既に相当程度織り込まれていたことで『おかしな話だがこの指標は無視されてしまったようだ』との声が聞かれた。 VIX指数は63.95から61.00へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドルの需給ひっ迫感の後退で売り優勢

ドル/円は、パウエルFRB議長が追加緩和の可能性に言及したことや、低調な米雇用指標の結果を受けてドル売りが優勢となり、一時109.21円と日通し安値を付けた。米国株相場の上昇を背景にドル需給のひっ迫に対する警戒感が後退し、全般ドル売りの流れが続いた面もある。NYダウは一時1400ドル近く上昇したほか、日経平均先物は大証終値780円高の1万9140円まで買われた。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.24まで低下した。 

ユーロ/ドルは、パウエルFRB議長がNBCとのインタビューで『FRBはまだ行動する余地がある』『弾薬がなくなることはない』と述べ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中で、『米経済における与信の流れが滞ることのないよう支える強力な取り組みを維持する』と表明すると全般ドル売りが優勢となった。前週分の米新規失業保険申請件が328万3000件と予想の100万件を大きく上回り、過去最多となったこともドル売り圧力を高め、一時1.1059ドルまで値を上げた。
 なお、ユーロはドル以外の通貨に対しては軟調に推移した。ECBが7500億ユーロ規模の新たな債券購入プログラムを開始したと発表し、これまで自ら設定していた債券買い上げの制限を取り払い、イタリアなどユーロ圏内の債務国を積極的に支援する姿勢を示したことを受けた。

 

NY原油先物市場は大幅反落:世界の原油需要が急速に後退懸念

NY原油先物市場は22.38ドル-24.65ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省が戦略石油備蓄(SPR)向けの原油買い入れ計画の取り下げを表明したことや、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長が『世界の石油需要の低下に歯止めがかからない』と懸念を表明し、世界需要が20%減少する可能性を警告したことが重しとなった。 

 

NY金先物市場は反発:ドル安で割安感から買い優勢

NY金先物市場は1611.20-1672.50ドルのレンジ相場となった。『資産の現金化』によるドル需要の後退や、米新規失業保険申請件の大幅悪化でドル安が進み、ドル建ての金に割安感が生じ、買いが優勢となった。ただ、午前のニューヨーク市場で1672.50ドルまで買われたが、米国株式の上昇を意識して利益確定を狙った売りが入っており、上げ幅は縮小 した。

 

米国債券市場は反発:米FRBの巨額資金供給で流動性回復

米国債券市場は長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.85%で終了した。米FRBの巨額資金供給で債券市場に流動性が戻りつつあり、市場の動揺はいったん落ち着いた。また、7年債入札の好調だったことも債券買いを誘った。 

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