FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米大規模経済対策の議会通過が近いとの期待

NYダウは2112.98ドル高の20704.91ドル、ナスダックは557.18ポイント高の7417.86ポイントで取引を終了した。前日に3年4カ月ぶりの安値を更新したあとだけに自律反発狙いの買いが先行した。2兆ドル規模に上る米国の経済対策が上下両院で可決されるとの期待感が高まったことも相場の支援材料となった。米連邦準備理事会(FRB)の無制限量的緩和策で金融市場の流動性が高まるとの見方も買いにつながった。なお、上げ幅は過去最大となり、上昇率は11%高と1933年以来87年ぶりの大きさとなった。また、トランプ大統領が復活祭(イースター)までに経済を再開させたい考えを示すと一段の上昇に繋がった。VIX指数は61.59から61.67へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク選好のドル買い優勢

ドル/円は、欧州市場では対ポンド中心にドル売りが強まったため、やや上値が重い展開が続いたものの、NY市場に入ると徐々に円売り・ドル買いが優勢になった。新型コロナウイルス対策として検討されている2兆ドルの米景気刺激策の議会通過が近いとの期待から、NYダウが2112ドル上昇し過去最大の上げ幅を記録すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが広がった。2月米新築住宅販売件数が年率換算で76.5万件と予想の75.0万件を上回ったほか、3月米リッチモンド連銀製造業景気指数がプラス2と予想のマイナス15より強い数字となったこともドルの追い風となり、一時111.71円と2月21日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。もっとも、市場では『世界的に株高が進む中、金融市場の混乱に伴うドル資金確保の動きはいったん和らいだ』との声も聞かれ、引けにかけては上げ幅を縮めた。

ユーロ/ドルは、米FRBが無制限の量的緩和策を導入したことを受けて、ドル需給ひっ迫への警戒感が後退しユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0888ドルと日通し高値を付けた。ただ、新型コロナ感染拡大に対する大型経済対策を米議会が可決するとの期待に支えられ、米株と米金利が上昇すると徐々にユーロ売り・ドル買いが優勢になった。良好な米経済指標もドル買いを促し、一時1.0746ドル付近まで下押しした。もっとも、アジア時間早朝に付けた日通し安値1.0723ドルが目先サポートとして意識されると引けにかけてやや買い戻されている。

 

NY原油先物市場は続伸:米国株が大幅反発したことを好感

NY原油先物市場は23.09ドル-25.16ドルのレンジ相場となった。原油需要のすみやかな増加は期待できないものの、米国の新型肺炎の感染拡大への2兆ドル規模の経済対策が議会で合意するとの期待で買いが優勢となった。また、米国政府による戦略的備蓄増加の思惑や、米国政府による市場介入の可能性があることから、投機的な売りは引き続き抑制された。さらに、米国株が大幅反発し、同様にリスク資産とされる原油も買いが優勢となった。 

 

NY金先物市場は大幅続伸:先行きインフレ進行の思惑から買い優勢

NY金先物市場は1560.50-1698.00ドルのレンジ相場となった。昨日に米連邦準備制度理事会(FRB)が無制限の量的緩和策を導入すると発表したことで、投資資金も戻るとの期待もあり、一時1698.0ドルまで上昇した。また、米国の無制限量的緩和策や大規模な財政出動によって、将来的にインフレ進行の可能性が高まるとの思惑が浮上したことが買い材料となった9日に付けた約7年3カ月ぶりの高値1704.3ドルに迫った。

 

米国債券市場は反落:リスク選好の動きから売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)0.84%で終了した。米与野党が総額2兆ドル規模の経済対策で合意するとの観測が広がり、債券売りが優勢となった。米国株が大幅上昇したことも相場の重石となった。

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