FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:大規模経済対策の話し合い難航を嫌気

NYダウは582.05ドル安の18591.93ドル、ナスダックは18.85ポイント安の6860.67ポイントで取引を終了した。米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を無制限に実施する意向を表明するとともに、企業や行政機関支援する貸出計画を発表したことが好感され、『リミットダウン』となっていた先物は一時上昇した。しかし、寄り付きから大規模経済援策を巡る共和党と民主党の話し合いが難航していることを嫌気して、売りに再び転じた。民主党のシューマー上院院内総務による発言を受けて一時は支援策成立の期待感から下げ幅を縮小する局面もあったが、2回目の採決でも動議可決にいたらず失望感から軟調推移となった。VIX指数は66.04から61.59へ低下した。

 

NY外国為替市場:資産の現金化によるドル買いが再燃

ドル/円は、米FRBが無制限の量的緩和策を導入すると発表したことを受けて全般ドル売りが先行すると一時109.82円付近まで下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値109.67円がサポートされると持ち直した。新型コロナウイルス感染拡大による金融市場の動揺を背景に金融機関や企業が保有資産を売却して現金としてドルを積み上げる動きは根強く、この日もドル高が進みやすい状況だった。前週末の高値111.51円を上抜けて一時111.59円と2月24日以来の高値を付けた。FRBは本日、緊急の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、新型コロナへの対応として、無制限の量的緩和(QE)を行う方針を決めた。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取る。声明では『新型コロナによる衛生危機に伴い、経済が深刻な混乱に直面することが明白になってきた』としたうえで、『市場の円滑な機能への支援や経済・金融情勢全般に対する金融政策の効果的な波及を促す』と表明した。また、学生ローンやクレジットカードローン、中小企業向け政府保証融資などに関する新制度も導入する。

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば上値が重かった。FRBの無制限量的緩和でユーロ買い・ドル売りが優勢となり、一時1.0828ドルと日通し高値を付けたものの、前週末の高値1.0831ドルを上抜けることは出来なかった。新型コロナの世界的な感染拡大への不安を背景とした『資産の現金化』によるドル買いが再燃し、一時1.0720ドル付近まで押し戻された。 

 

NY原油先物市場は反発:原油需要の減少懸念強く上値は重い

NY原油先物市場は20.80ドル-24.07ドルのレンジ相場となった。先週末に18年ぶりの安値をつけたことによる割安感から買いが入った。ただ、新型コロナの感染拡大が止まらず、欧米を中心に外出制限や国境の一時封鎖などの対応策が強化され、エネルギー需要の減少への懸念が強く、上値は重い。

 

NY金先物市場は続伸:米FRBの無制限の量的緩和導入を好感

NY金先物市場は、米FRBが無制限の量的緩和策を導入する発表したことも支えに買いが入った。また、米国株の軟調な動きも金の買いに拍車をかけた。

 

米国債券市場は続伸:米FRBが無制限の量的緩和導入を好感

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)0.78%で終了した。米FRBが無制限の量的緩和策を導入すると発表したことを受けて、需給が引き締まるとの見方から買いが入った。米国株の下落も相場の支援材料。

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