★米国株式市場は上昇:世界の中銀の金融緩和を好感した買い優勢
NYダウは188.27ドル高の20087.19ドル、ナスダックは160.73ポイント高の7150.58ポイントで取引を終了した。前日に3年1カ月ぶりの安値を付けたあとだけに値ごろ感や割安感から買いが入った。世界の中央銀行が相次ぎ金融緩和に動いていることも好感され、一時540ドル超上げた。ただ、朝方発表された米国の週次失業保険申請件数が2年半ぶりの高水準に急増したほか3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想外のマイナスに落ち込など、新型コロナウイルスによる景気後退懸念は根強く、寄り付き後すぐに720ドル超下げる場面もあった。なお、1日の値幅が1000ドル未満となるのは6日以来9営業日ぶりとなった。 VIX指数は76.45から72.00へ低下した。
★NY外国為替市場:ドル需要根強くドル買いが継続
ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)、英イングランド銀行(BOE)など欧米中銀がそろって巨額の資金供給に踏み切ったことを受けて、新型コロナウイルス感染拡大による金融市場の動揺がひとまず落ち着いた。欧米株価が反発し、WTI原油先物価格が一時36%超急騰すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが優勢となった。市場では『投資家が流動性の高いドルを確保する動きは根強い』との声も聞かれ、一時110.95円と2月25日以来の高値を付けた。
FRBはこの日、これまで日欧など5中銀と結んできたドル資金の供給策について、新たに豪州やNZなど9カ国を加えると発表。金融市場の動揺で、ドルの逼迫感は米国だけでなく世界中で強まっており、FRBは各国中銀と協調してドルを調達しやすい環境を整える。ただ、市場の反応は鈍くドル確保の勢いは収まらなかった。
ユーロ/ドルは、欧米中銀が緊急の資金供給策を打ち出したことで、ドルの需給が逼迫するとの懸念が緩和しユーロ買い・ドル売りが入る場面もあったが、ドル資金を確保する動きは根強く戻りは鈍かった。市場では『ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売りのフローが観測された』との指摘もあり、一時1.0655ドルと2017年4月18日以来約2年11カ月ぶりの安値を付けた。
★NY原油先物市場は大幅反発:トランプ大統領の介入発言で買い戻し
NY原油先物市場は21.77ドル-28.28ドルのレンジ相場となった。昨日大幅に売られたことに対する反動もあり、原油先物価格は買い戻しが入った。またトランプ米大統領が『石油の価格戦争に適切な時期に介入するだろう』との見方を伝え、サウジアラビアとロシアの増産合戦による価格統制の争いに介入する可能性を示唆したことも、原油先物の買い戻しとなった。
★NY金先物市場は小幅高:資金の現金化の勢いが和らぎ買い優勢
NY金先物市場は1460.10-1502.80ドルのレンジ相場となった。金先物市場はアジア時間には年初来安値まで弱含んだ。しかし昨日大幅に下げた反動、弱含んでいた欧米株がプラス圏に戻したこと、FRBが新たに9カ国とのドル資金供給を合意したことなどで、資金の現金化の勢いも和らぎ小幅ながら前日比では反発した。また、NY金先物はおおむね1500ドルを下回る水準で取引されたが、米長期金利の低下を意識した買いが入った。
★米国債券市場は反発:各国中銀の資産購入表明を好感した買い
米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.14%で終了した。米FRBをはじめ各国中銀が巨額の資産購入を表明したことで、ここ数日売り一辺倒だった国債市場にひとまず落ち着きが戻った。
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