FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は大幅下落:新型コロナウイルスの感染拡大の動揺継続

NYダウは2997.10ドル安の20188.52ドル、ナスダックは970.28ポイント安の6904.54ポイントで取引を終了した。米連邦準備理事会(FRB)は15日に緊急利下げしたものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響をめぐる市場の動揺は収まらず、S&P500株価指数は寄り付き直後に8%超急落し、売買を一時中断する措置(サーキット・ブレーカー)が発動された。取引再開後はしばらく安値圏でのもみあいが続いていたが、トランプ米大統領が記者会見で『新型コロナとの闘いは7-8月まで続く可能性』『米景気はおそらくリセッションに向かっている』と発言すると売りが加速し、一時3069ドル下げた。下げ幅は過去最大となり、下落率は1987年10月19日のブラックマンデー以来の大きさとなった。 VIX指数は57.83から83.69へ大幅上昇した。最大はリーマン危機時の2008年の89.53。

 

NY外国為替市場:ドル需要強く底堅い展開

ドル/円は、FRBは15日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を1%引き下げゼロ金利にすることを決定した。3日に続き、今月2回目の緊急利下げに踏み切った。また、日銀も金融政策決定会合で約3年半ぶりに追加金融緩和を決めたものの、世界景気の急激な冷え込みを警戒した動きは止まらず、アジア・欧州の株式市場は全面安となった。リスク回避目的の円買い・ドル売りが先行し、一時105.09円まで値を下げた。ただ、オセアニア通貨や資源国通貨に対してドル買いが広がると、円に対してもドル高が進んだため一時106.47円付近まで下げ渋る場面があった。NYダウが一時3000ドル超下落し、過去最大の下げ幅を記録するとやや上値が重くなったが、NY市場に限れば106.00円を挟んだ荒い値動きに終始した。なお、G7首脳は緊急テレビ会談後に『(新型コロナウイルス対策で)金融政策・財政を総動員する』との声明を発表したが、相場の反応は限定的だった。 

ユーロ/ドルは、手元にドル資金を置いておきたい金融機関や企業のドル需要が強まっているため、ドル買いが先行し一時1.1094ドル付近まで下げた。市場では『ドルの調達コストはリーマン危機以来の高水準となっており、当面はドル需要が高止まりそうだ』との声が聞かれた。ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.1048ドルを下抜けることは出来なかった。トランプ米大統領がNY午後の記者会見で『新型コロナとの闘いは8月まで続く可能性』『米景気はおそらくリセッションに向かっている』と発言すると米国株が下げ幅拡大。ドルの上値も若干重くなった。

 

NY原油先物市場は大幅反落:需要鈍化懸念から売り優勢

NY原油先物市場は、アジア時間に発表された中国の弱い経済指標(鉱工業生産、小売売上高)以後の上値の重さが継続し、引け値ベースでは2016年2月以来となる28ドル台まで下落した。米FRBの緊急利下げや米国の戦略石油備蓄積み増し表明など、原油をサポートする材料もトレンドの強さに抗えなかった。 

 

NY金先物市場は5日続落:金融資産の現金化継続で売り優勢

NY金先物市場は、1450.90-1574.80ドルのレンジ相場となった。米FRBによる緊急利下げにもかかわらず、株式市場は大幅に売られ、金融資産の現金化が本日も進み金先物も続落した。一時米株式市場が下げ幅を縮める局面では前営業日比でプラス転をする場面もあったが、資産現金化への流れは止められず上値は限られた。 

 

米国債券市場は大幅反発:米国株の暴落でリスク回避の買い優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは大幅反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.24%低い(価格は上昇)0.72%で終了した。米FRBの緊急利下げを受けて債券買いが先行したほか、米国株の暴落で安全資産とされる米国債に買いが入った。

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