FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:WHOの『パンデミック』宣言で売り優勢に

NYダウは1464.94ドル安の23553.22ドル、ナスダックは392.20ポイント安の7952.05ポイントで終了した。米政府は10日に新型コロナウイルス対応の経済対策を議会に要請したが、市場では『実現時期や効果には不透明感がある』との見方が多く、売りが優勢となった。世界保健機関(WHO)が新型コロナについて『パンデミック(世界的流行)』と表明したことも投資家心理の悪化につながり、一時1689ドルの大幅下落となった。NYダウは高値から20%下落した水準を割り込み、弱気相場入りした。VIX指数は47.30から53.90へ上昇した。

 

NY外国為替市場は米国株急落でリスク回避の円買い

ドル/円は、米政権は10日に新型コロナウイルス対応の経済対策を議会に要請したものの、市場では『実現時期や効果には不透明感がある』との見方が多く、米国株が大幅に下落した。ドル/円にも売りが出た。世界保健機関(WHO)が新型コロナについて『パンデミック(世界的流行)』と表明したことも投資家心理の悪化につながり、一時104.23円付近まで値を下げた。なお、NYダウは一時1689ドル下落したほか、日経平均先物は大証終値比440円安の1万8930円まで売られる場面があった。ただ、アジア時間に付けた日通し安値104.10円を下抜けることは出来なかった。ユーロやポンドに対してドル高が進んだ影響を受けたほか、米10年債利回りが0.88%台まで上昇したことが相場の下支え要因となった。 

ユーロ/ドルは、明日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に利下げ観測が強まると、全般ユーロ売りが優勢となった。前日の安値1.1275ドルを下抜けると一時1.1258ドルまで下げ足を速めた。なお、イングランド銀行(BOE、英中銀)による緊急利下げを受けてECBも追従するとの観測が広がり、短期金融市場ではECBによる0.10%の利下げを完全に織り込んだ。

 

NY原油先物市場は反落:需給の緩みが意識され売り優勢に

NY原油先物市場は32.56ドル-36.35ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)が20年の原油需要見込みを下方修正するなか、アブダビ国営石油会社のADNOCは11日、4月から日量の原油生産量を増加する方針を示した。需給の緩みが強く意識されて原油相場は売り優勢になった。米エネルギー省(EIA)が発表した週間在庫統計で、原油が+766.4万バレルと大幅な積み増しとなったことも重石となった。また、米国株安を意識して原油先物の上値は重くなった。 

 

NY金先物市場は下落:株安でポジション調整売り

NY金先物市場は1632.40-1671.80ドルのレンジ相場となった。下げが止まらない株式市場で受けた損失をカバーするため、現物の金塊は投資家の換金売りに押され、先物市場も上値を抑えられた。ドルが対ユーロで堅調となったことも材料に、ドル建ての金先物は終日弱含みに推移した。1671.80ドルまで買われたが、株安の局面でポジション調整的な売りが観測された。

 

米国債券市場は続落:前日の3年債入札不調が引き続き売り誘う

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)0.87%で終了した。米経済対策の行方を見極めたいとのムードが強く、米国株が急落する中でも債券買いの動きは限られた。米10年債入札は『無難な結果』だったが、前日の3年債入札が『低調』だったため債券売りが続いた面もある。

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