FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:新型肺炎の感染拡大と原油価格の急落を嫌気

NYダウは2013.76ドル安の23851.02、ナスダックは624.94ポイント安の7950.68ポイントで取引を終了した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で景気や企業業績の減速懸念が一段と高まるなか、原油価格の急落が売りに拍車をかけた。S&P500種株価指数は寄り付き後まもなく7%超急落し、売買を一時中断する措置(サーキット・ブレーカー)が発動され15分間取引停止となった。なお、サーキット・ブレーカーが実施されるのは今の制度が2013年に導入されて以来初めてとなる。VIX指数は41.94から54.46へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株市場でサーキットブレーカー発動でドル急落

ドル/円は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や原油先物価格の急落を受けて、投資家がリスク回避姿勢を強めると円買い・ドル売りが先行した。現物の米国株相場が寄り付き後まもなく7%超急落し、『サーキット・ブレーカー(取引を一時停止)』措置が発動されると、リスク・オフの動きがさらに加速し一時101.19円と2016年10月以来約3年5カ月ぶりの安値を付けた。ただ、米国株の取引再開に向けてはショートカバーが優勢となり一時102.68円付近まで急速に値を戻した。市場では『日銀によるレートチェックの噂』もあった。そのあとは米国株の動きに合わせる格好で102円台前半から半ばでの不安定な値動きとなった。

ユーロ/ドルは、ドル/円の下落や米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入り一時1.1485ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1495ドルを上抜けることは出来なかった。なお、ユーロ圏短期金融市場では12日の欧州中央銀行(ECB)理事会で0.10%の利下げが織り込まれているが、市場の一部では『利下げに加えて社債買い入れを通した資産買い入れプログラムの拡大を決定するのでは』との見方が出ている。 

 

NY原油先物市場は続落:サウジアラビアの増産姿勢を嫌気

NY原油先物市場は27.34ドル-34.88ドルのレンジ相場となった。先週の石油輸出国機構(OPEC)プラス会合で追加減産協議が決裂し、週末にはサウジアラビアが増産姿勢を示した。他の産油国も追随するのは確実とみられ、供給過剰への警戒感が大きく高まり、原油先物は週明けの時間外取引から暴落。一時27ドル前半まで売り込まれて4年以上ぶりの安値を記録した。NY勢の参入後には買い戻しの動きもあったが、引けにかけて再び売り押された。

 

NY金先物市場は小幅高:リスクオフ地合いから安全資産の金買い優勢

NY金先物市場は1658.00-1704.30ドルのレンジ相場となった。週明けオセアニア市場からリスクオフ地合いが強まり、時間外取引の金先物も買いが先行し、7年以上ぶりとなる1700ドル台まで上値を伸ばした。しかしながら、上昇一巡後は利益確定の売りに押し戻され、NY勢の本格参入後は前週末の引け水準を挟み方向感無く上下した。株安を意識した買いが入ったが、まとまった規模ではなかった

 

米国債券市場は続伸:引く続きリスク回避の債券買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続伸(利回りは低下)した。米10年債利回りは前営業日比0.22%低い(価格は上昇)0.54%で終了した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大や原油先物価格の急落を受けて、投資家がリスク回避姿勢を強めると相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。米10年債利回りは一時0.3137%と過去最低を更新した。 

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