★米国株式市場は下落:クドロー米NEC委員長の発言受け下げ幅縮小
NYダウは256.50ドル安の25864.78、ナスダックは162.98ポイント安の8575.62で終了した。新型コロナウイルス感染拡大への懸念が高まる中、リスク資産を手仕舞い安全資産とされる米国債などに資金を移す動きが続いた。米金利低下に歯止めがかからないことで、米景気への懸念を強めた面もあり一時900ドル近く下落した。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)高官は追加緩和を示唆したほか、クドロー国家経済会議(NEC)委員長は感染により大きな被害を受ける中小企業や航空セクターなどに的を当てた支援を政府が検討する可能性も示唆したが、判断する前に状況を確認する必要があると指摘した。クドロー米NEC委員長の言及後は下げ幅を縮めた。 VIX指数は39.62から41.94へ上昇した。
★NY外国為替市場:クドローNEC委員長発言でドルがやや下げ止まる
ドル/円は、新型コロナウイルスの感染拡大で世界景気の後退懸念が高まる中、欧州時間に一時104.93円と昨年8月26日以来約半年ぶりの安値を付けた。市場では『FRBが4月末までに政策金利をゼロ近辺まで引き下げるとの見方が強まっている』との声が聞かれた。ただ、NY市場に限れば105円台前半から半ばでのもみ合いに終始した。NYダウが一時900ドル近く下落したこととなどが相場の重しとなった半面、クドローNEC委員長が『新型肺炎対策で的を絞った景気刺激策を講じる可能性』などと発言したことが相場を支えた。一時は0.6572%まで低下し過去最低を更新した米10年債利回りが0.79%台まで低下幅を縮めたこともドルの下支え要因となった。
ユーロ/ドルは、米10年債利回りが過去最低を更新する中、ユーロ買い・ドル売りが優勢となり一時1.1355ドルと昨年7月1日以来の高値を付けた。ただ、クドロー米NEC委員長が景気刺激策の可能性に言及すると米国株や米金利が低下幅を縮小したため、ドルを買い戻す動きが広がり取引終了間際に1.1284ドル付近まで伸び悩む場面があった。
なお、米労働省が発表した2月米雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月比27万3000人増と予想の前月比17万5000人増を上回り、失業率は3.5%と予想の3.6%より強い内容となったものの、リスク・オフ一色の市場への影響は限定的だった。市場では『大事なのは新型肺炎の影響を織り込む3月の数字』との声が聞かれた。
★NY原油先物市場は続落:世界的な景気減速懸念広がり売り優勢
NY原油先物市場は、10%超の暴落で、2016年8月以来と3年7カ月ぶりの安値をつけた。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的な景気減速懸念が広がり、リスク資産の原油は売りが先行した。また、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国の会合は協議が決裂し、追加減産が見送られ、原油の売りが加速した。米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比4基増加の682基となった。
★NY金先物市場は続伸:米国株下げ幅縮小で上値重くなる
NY金先物市場は1642.40‐1692.80ドルのレンジ相場となった。米国株が大幅続落し、米長期金利の低下も継続するなど、新型肺炎の感染拡大による世界経済への懸念で、投資家のリスクオフ姿勢が高まっている中、逃避資産の金に買いが入った。また、為替相場でドルが対ユーロで下落したことも、ドル建ての金の買いを後押しした。通常取引開始前の時間外取引で1690.70ドルまで買われた後、米雇用統計の改善を意識して1669.10ドルまで下落した。その後は、米国株式の動向を意識した相場展開となった。通常取引終了後の時間外取引で株安を意識して一時1692.80ドルまで買われたが、米国株式の下げ幅縮小を受けて1666.10ドルまで売られる展開となった。
★米国債券市場は大幅続伸:新型肺炎の感染拡大を嫌気した買い優勢
米国債券市場で長期ゾーンは大幅続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.15%低い(価格は上昇)0.76%で終了した。新型肺炎の感染拡大による世界景気の下振れ懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。米10年債利回りは一時0.6572%と過去最低を更新した。
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