FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:緊急利下げ発表で売り優勢

NYダウは785.91ドル安の25917.41、ナスダックは268.08ポイント安の8684.09で取引を終了した。米連邦準備理事会(FRB)の緊急利下げを好感する格好で一時380ドル超上げたものの、前日に過去最大の上げ幅となった後だけに、利下げ発表で材料出尽くしの売りが優勢となった。市場では『米国でも新型コロナウイルスの感染者が増える中、景気への悪影響が警戒された』との声が聞かれ、一時1000ドル近く下落した。新型コロナウィルスの問題解決は、金融政策だけでは不十分との見方や、緊急利下げが投資家に逆に脅威を与えた形となり、下落に転じ昨日の上昇をほぼ打ち消した。VIX指数は33.42から36.82へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米FRBの緊急利下げで全般ドル売り優勢

ドル/円は、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁緊急電話会議後の声明発表を控えてしばらくは107円台後半を中心としたもみ合いが続いていたが、G7財務相・中央銀行総裁が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気下振れリスクに対応するため『あらゆる適切な政策手段を用いる』との共同声明を発表すると、『具体策に乏しい内容だった』と受け止められて失望売りが先行した。米連邦準備理事会(FRB)が臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を0.5%引き下げたと伝わると、米10年債利回りが一時0.9043%と過去最低水準を更新した。全般ドル売りが活発化し一時106.93円と昨年10月9日以来の安値を付けた。FRBの緊急利下げで一時380ドル超上昇したNY平均が失速し1000ドル近く下落したことも相場の重しとなった。日経平均先物は大証終値比300円安の2万0680円まで売られる場面があった。

ユーロ/ドルは、ユーロ/豪ドルやユーロ/NZドルなどユーロクロスの下落につれたユーロ売り・ドル買いが先行し一時1.1095ドルと日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。FRBの緊急利下げを受けて全般ドル売りが強まると、一時1.1212ドルと1月2日以来の高値を付けた。なお、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で『今後数カ月の動向を注視し、経済を支えるために適切に行動する』と述べたほか、『G7諸国はそれぞれ行動へ』『公式な協調行動、追加で実施する可能性もある』との考えを示した。 

 

NY原油先物市場は続伸:追加減産の思惑やドル安を背景に買い優勢

NY原油先物市場は46.47ドル-48.66ドルのレンジ相場となった。5-6日に予定されている石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国の会合で追加減産が決定されるとの見方や、米連邦準備制度理事会(FRB)の緊急利下げを背景にドル安が進んだことを背景に原油は買いが優勢となった。米国株式の大幅反落を意識して原油先物は伸び悩んだ。

 

NY金先物市場は大幅続伸:米国株の暴落やドル安で買い優勢

NY金先物市場は1585.90-1650.50ドルのレンジ相場となった。米連邦準備理事会(FRB)が0.5%の緊急利下げに踏み切り、米10年債利回りが初の1%割れまで低下し、米国株が暴落した。また、為替相場ではドル安・ユーロ高が進み、安全資産の金が買われた。ただ、その後は株安を意識した利食い売りが増えたことで金先物は上げ渋った。

 

米国債券市場は上昇:米FRBの緊急利下げで買い優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは大幅反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.16%低い(価格は上昇)1.00%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の緊急利下げを受けて債券買いが膨らんだ。米国株の急落も債券買いを促し、米10年債利回りは一時0.9043%と過去最低を更新した。

 

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