FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:FRB議長が追加利下げを示唆で下げ幅縮小

NYダウは357.28ドル安の25409.36、ナスダックは0.89ポイント高の8567.37で取引を終了した。昨年6月4日以来およそ9カ月ぶりの安値を付けた。ニュージーランドやナイジェリアでも新型コロナウィルスの感染者が発見され、世界的な感染拡大を受けて、この日も投資家のリスク回避姿勢が継続した。下げ幅は一時1085ドルに達した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『新型コロナウイルスを注視。経済を支援するために手段行使し適切に行動する』との見解を示し、追加利下げを示唆すると引けにかけて下げ幅を縮めた。VIX指数は 39.16から40.11へ上昇した。

 

NY外国為替市場:世界の株価下落でリスク回避の円買い

ドル/円は、新型コロナウイルスの世界的流行への懸念から世界の株価下落に歯止めがかからない状況となり、リスク回避目的の円買い・ドル売りが優勢となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『米経済のファンダメンタルズは引き続き強い』としながらも、『新型コロナウイルスを注視。経済を支援するために手段行使し適切に行動する』との見解を示すと、米10年債利回りが一時1.1143%と過去最低水準を更新した。全般ドル売りが活発化し、一時107.51円と昨年10月10日以来の安値を付けた。
 なお、新型コロナウイルスを巡ってはニュージーランドやベラルーシ、メキシコなど新たに6カ国で初の感染者が確認されたほか、米国内でもカリフォルニア州を中心に感染拡大の警戒感が強まっている。世界保健機構(WHO)はこの日、記者会見を開き、世界的な危険性の評価をこれまでの『高い』から『非常に高い』に引き上げたと発表した。NYダウは一時1085ドル急落し、節目の2万5000ドルを下回ったほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比620円安の2万0460円まで売られる場面があった。もっとも、NYダウは取引終了間際に急速に下げ幅を縮めたほか、ナスダック総合はプラス圏に浮上した。シカゴ日経平均先物も2万1000円台を回復した。この動きにつれる格好でドル円にもショートカバーが入り108円台前半まで下げ渋った。

ユーロ/ドルは、海外市場では総じて荒い値動きだった。日本時間夕刻に一時1.1053ドルと4日以来の高値を付けたものの、NY市場に入ると失速した。ユーロ/円の急落につれた売りが出て一時1.0951ドルと日通し安値を付けた。2月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が49.0と予想の45.9を上回ったこともユーロ売り・ドル買いを誘った。もっとも、パウエルFRB議長が追加利下げの可能性を示唆すると米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となり、1.1046ドル付近まで持ち直した。 

 

NY原油先物市場は続落:需要後退を嫌気した売り優勢

NY原油先物市場は43.85ドル-47.03ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルスの影響による需要後退を嫌気した売り地合いが続いている。石油輸出国機構(OPEC)が減産継続を示唆しているが、歯止めになっていない。 しかし、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が『新型肺炎による株市場の下落は過剰』、『CDCやFDAは新型肺炎の治療薬の承認を加速している』、『主要なサプライチェーンの混乱の証拠はない』などの見解を伝えたことから、株安は一服し、原油先物は通常取引終了後の時間外取引で45ドル台前半まで戻した。米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比1基減少の678基となった。

 

NY金先物市場は大幅下落:株価下落で利益確定売り継続

NY金先物市場は、1564.00-1651.00ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルスの感染拡大を嫌気したリスク回避は続いているが、逃避先資産とされる金の価格は暴落した。昨日にダウ平均が史上最大の下落幅となるなど多くの市場で生じたマイナスをカバーするための換金売りが進んだ。 また、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が、『CDCやFDAは新型肺炎の治療薬の承認を加速している」などの見解を伝えた後は1564.00ドルまで一段安となった。

 

米国債券市場は続伸:世界的な感染拡大でリスク回避の買い強まる

米国債券市場で長期ゾーンは7日続伸(利回りは低下)した。米10年債国債利回りは前営業日比0.11%低い(価格は上昇)1.15%で終了した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大への懸念が広がるなか、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が『経済を支援するために手段行使し適切に行動する』との見解を示し、追加利下げの可能性を示唆すると、米10年債利回りは一時1.1143%と過去最低を更新した

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