FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:新型コロナウイルスによる感染拡大を嫌気

NYダウは1190.95ドル安の25766.64、ナスダックは414.29ポイント安の8566.48で取引を終了した。新型コロナウイルスによる肺炎の感染が世界で広がり、世界景気の下押しになるとの懸念から売りが膨らんだ。市場では『売りが売りを呼ぶ展開』との指摘があり、下げ幅は一時1200ドルを超えた。なお、テドロスWHO事務局長は新型肺炎の世界的な感染拡大について『パンデミック(世界的流行)の可能性がある』とし、各国に一段の警戒を促した。投資家心理の悪化が続いているほか、原油相場の下落や米長期金利の低下も重なり、終日大幅下落となった。VIX指数は27.56から39.16へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク回避強まり米長期金利急低下でドル売り

ドル/円は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界景気の下振れ懸念から、世界的に株価が下落するとドル円にも売りが先行した。米10年債利回りが1.2408%と過去最低水準を更新したことも相場の重石となり、一時109.69円まで値を下げた。テドロスWHO事務局長は新型肺炎の世界的な感染拡大について『パンデミック(世界的流行)の可能性がある』とし、各国に一段の警戒を促したことが嫌気された。米国株が下げ渋った場面では110.35円付近まで買い戻される場面もあったが、引けにかけてNYダウが1200ドル超下落し、過去最大の下げ幅を記録するとドル円の上値も再び重くなった。取引終了間際に一時109.59円と日通し安値を更新した。米疾病対策センター(CDC)がカリフォルニア州で海外渡航歴がなく、感染者との接触も未確認の人への感染事例があったと発表したことなどが投資家心理の悪化につながった。

ユーロ/ドルは、新型肺炎の経済的影響を巡る懸念を背景に、ユーロ圏短期金融市場では6-7月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利下げをほぼ織り込んだものの、市場は米10年債利回りが過去最低を更新したことを材料にドル売りで反応した。6日以来の高値となる1.1006ドルまで値を上げ、一時1.0965ドル付近まで下押しする場面もあったが、総じて底堅く推移した。 

 

NY原油先物市場は大幅続落:原油需要は当面減少する可能性を嫌気

NY原油先物市場は、45.88ドル-48.78ドルのレンジ相場となった。終値ベースでは2019年1月上旬以来の安値となった。新型コロナウイルスによる経済活動の停滞が、エネルギー需要の後退につながるとの見方が引き続き売り材料となった。一時45.88ドルまで売られるなど、下落が1週間続いている。

 

NY金先物市場は伸び悩む:リスク回避的な買い拡大せず

NY金先物市場は1636.70-1662.50ドルのレンジ相場となった。24日まで8営業日の続伸で7年1カ月ぶり高値1691.7ドルをつけた後の調整安は落ち着きかけた。しかし、米10年債利回りが、NY序盤に過去最低水準を1.2408%まで更新後は下げ渋りの兆候を示した。米国株式は大幅続落となったが、金利を生まない金を買う動きがやや弱まり、もみ合い状態で大引けとなった。 

 

米国債券市場は続伸:米国内でも感染者拡大で買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは6日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い(価格は上昇)1.26%で終了した。米カリフォルニア州で新型コロナウイルスの感染者が確認されるなど、同ウイルスの蔓延による世界経済への影響が懸念され株価が急落した。相対的に安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは一時1.2408%と過去最低を付けた。 

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