FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:FDA高官がバンデミックの警告でリスク回避

NYダウは123.77ドル安の26957.59、ナスダックは15.16ポイント高の8980.77で取引を終了した。足もとで相場下落が続いたあとだけに自律反発狙いの買いが先行し一時460ドル超上げたものの、米食品医薬品局(FDA)高官がパンデミック(世界的流行)を警告し、午後にかけて上げ幅を縮小したものの、トランプ大統領が午後6時に記者会見を行うこともあり、小動きとなった。個別ではボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)が退任すると発表したウォルト・ディズニーが3.7%下げ、下落率トップとなった。VIX指数は27.85から27.56へわずかに低下した。

 

NY外国為替市場:新型コロナウイルス報道に神経質な展開

ドル/円は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大への懸念が広がるなか、神経質な展開となった。欧州市場序盤に一時110.13円とアジア時間に付けた日通し安値に面合わせしたものの、NYダウ先物や欧州株が持ち直すと投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いが優勢になった。現物のNYダウが一時460ドル超上昇すると、110.70円と日通し高値を付けた。しかし、感染が確認された国・地域が世界の五大陸に及んだことが分かったほか、米食品医薬品局(FDA)高官が『パンデミックになりつつある』と警告するとNYダウが190ドル超安まで急失速した。『NY市近郊で感染の可能性』との報道も嫌気されて、一時110.18円付近まで下押しした。米長期金利が一時1.2988%と連日で過去最低を更新したことも相場の重石となった。もっとも、引けにかけては買い戻しが入り110.47円付近まで持ち直している。日本時間27日8時30分に予定されているトランプ米大統領の新型肺炎に関する会見への期待から、ショートカバーが入ったもよう。市場では『新型肺炎の拡大防止策や経済対策への期待が広がっており、相場を下支えしそうだ』との声が聞かれた。

ユーロ/ドルは、 独長期金利の上昇などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.0909ドルと12日以来の高値を付けたが、1.09ドル台では戻りを売りたい向きも多く滞空時間は短かった。米長期金利が上昇に転じた場面ではユーロ売り・ドル買いが優勢となり一時1.0855ドルと日通し安値を付けた。もっとも、米長期金利が再び低下するとユーロドルにも買い戻しが入り1.0900ドル付近まで値を上げた。 

 

NY原油先物市場は続落:世界の原油需要の想定を下回る可能性を嫌気

NY原油先物市場は48.30ドル-50.44ドルのレンジ相場となった。米週間原油在庫は前週並みの45.2万バレルの積み増しが続いたものの、より多くの積み増しを市場が見込んでいたため、同結果の発表直後はやや底堅い動きも見せた。しかし、米国でも新型コロナウイルスの感染拡大の可能性があると指摘されたことから、2020年の世界の原油需要は従来の想定を下回る可能性があるとみられており、原油先物の売りを誘った。終値ベースでは2019年1月以来の安値となった。

 

NY金先物市場は小幅安:利益確定売りで上値の重い展開

NY金先物市場は1626.60-1657.10ドルのレンジ相場となった。24日まで8営業日の続伸となり、中心限月として7年1カ月ぶりの高値1691.7ドルまで上昇が続いたことに対する反動が続いた。NY序盤までドル相場が強含んでいたことも、ドル建て金価格の圧迫要因となり、利食いの動きを先行させた。ただ、米国株式はまちまちの動きとなったが、NYダウとS&P500種は続落しており、株安を意識して金先物はやや下げ渋った。

 

米国債券市場は続伸:世界的な感染拡大から安全資産買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは5日続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%低い(価格は上昇)1.35%で終了した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大への懸念が広がるなか、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。利回りは一時1.2988%と過去最低を付けた。

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