FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:感染拡大によるアジア経済への影響が懸念され売り

NYダウは128.05ドル安の29219.98、ナスダックは66.21ポイント安の9750.97で取引を終了した。中国以外の地域でも新型肺炎の感染者数が増加し、感染拡大によるアジア経済への影響も懸念されるなか、投資家のリスク志向低下を意識した売りが出た。半導体関連株などの下げが目立ったが、一方でディフェンシブ銘柄には買いが入り、売り一巡後は急速に下げ幅を縮小した。ゴールドマンサックスがコロナウィルスの影響が過小評価されていることを理由に、短期的な株価調整が入る可能性を指摘したことも相場の重石となった。VIX指数は14.38から15.56へ上昇した。

 

NY外国為替市場:日本経済の先行き不透明感から円売り

ドル/円は、日本経済の先行き不透明感から、この日も総じて円売りの流れが目立ったほか、米経済指標が総じて予想より強い結果となったこともあり、一時112.22円と昨年4月以来の高値を更新した。昨年4月24日高値の112.40円が上値の目処として意識されると、NYダウが一時380ドル超安まで下落したことも相場の重しとなり、一時111.70円付近まで上値を切り下げる場面も見られた。もっとも、その後はNYダウが徐々に下げ幅を縮めたことに合わせて112円台を回復した。 

ユーロ/ドルは、ユーロ/ポンドなどユーロクロスの上昇につれて買いが先行し、一時1.0821ドルの高値をつける場面もあったが、一巡後はドルの買い戻しが進んだ流れに沿って1.0780ドル台まで失速した。 

 

NY原油先物市場は続伸:原油在庫の増加幅が減少したことで買い優勢

NY原油先物市場は53.22ドル-54.50ドルのレンジ相場となった。内戦が続く北アフリカのリビアで油田の封鎖が続く可能性や、米国の対ベネズエラ制裁強化、石油輸出国機構(OPEC)プラスによる減産延長への思惑など、供給懸念の高まりにより買いが先行した。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で、原油は41.5万バレルの積み増しと前回から大きく積み増し幅を減少させたことも相場の支えとなった。

 

NY金先物市場は続伸:世界的な経済活動への影響が危惧され買い優勢

NY金先物市場は1606.60-1626.50ドルのレンジ相場となった。世界的に拡大する新型肺炎の感染に関し、韓国では感染者数が100人を超えるなど懸念はまだ強い状態。中国・湖北省では企業の休業措置を3月10日まで再延長するなど、経済活動への影響も危惧されている。避難資産の金への資金流入は止まらず、約7年ぶりの高値を更新した。また、米国安や米長期金利の低下も意識された。

 

米国債券市場は上昇:世界経済への影響を懸念し安全資産の買い

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%低い(価格は上昇)1.51%で終了した。中国以外の地域でも新型肺炎の感染が広がり、世界経済への影響を懸念する声が広がるなか、安全資産とされる債券に買いが入った。

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