★米国株式市場は下落:感染者拡大で世界景気の先行き懸念広がる
NYダウは128.11ドル安の29423.31、ナスダックは13.99ポイント安の9711.97で取引を終了した。中国の新型コロナウイルスの感染者数が認定基準の見直しで急増し、世界景気の先行き懸念が強まった。新型コロナウィルス感染拡大の勢いが弱まりつつあると楽観的な見方が広がっていたこともあり、投資家心理が急速に悪化し軟調推移となった。中国売上高の大きい3Mやアップルなどが売られ、一時200ドル超下げた。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出た。VIX指数は13.74から14.15へ上昇した。
★NY外国為替市場:感染者急増でリスク回避でもドルは底堅い展開
ドル/円は、新型肺炎が流行する中国湖北省で報告された死者・感染者数の急増を受けて、感染拡大ペース鈍化への期待感が浮上した前日の状況から一転してリスク回避的な円買い・ドル売りが出た。欧州時間には一時109.62円と日通し安値を付けた。ただ、死者・感染者数の急増は集計基準の変更に伴う増加とされており、NY市場では下値の堅さが目立った。米国株が下げ渋ったことも相場の下支え要因となり、一時109.86円付近まで戻す場面があった。なお、米FOXニュースは『中国は新型コロナウイルス感染を少なくとも10万人過少報告している』と報じた。
ユーロ/ドルは、ユーロ圏景気の減速懸念や独政治の先行き不透明感を背景としたユーロ売りが優勢となり、一時1.0834ドルと2017年4月24日以来約2年10カ月ぶりの安値を付けた。市場関係者からは『新型肺炎の感染拡大による影響から欧州中央銀行(ECB)が予想より長期間にわたり低金利を維持するとの観測が出ている』との声が聞かれた。
★NY原油先物市場は続伸:安値圏での押し目買いが下支え
NY原油先物市場は50.60ドル-51.96ドルのレンジ相場となった。ウイルスの感染源とされる湖北省の基準変更に伴い、死者数・感染者数ともに急増し、新型肺炎の拡大懸念を背景にリスク資産の原油は売りが先行した。ただ、下押し局面では安値拾いの買いも入り、小幅ながらプラス圏に浮上して取引を終えた。
★NY金先物市場は続伸:リスク回避の動き強まり買い優勢に
NY金先物市場は1568.50-1581.70ドルのレンジ相場となった。中国の新型肺炎の感染者数が認定基準の見直しで急増し、新型肺炎の感染拡大を巡る先行き不透明感が高まり、逃避資産の金に買いが入った。時間外取引のアジア市場で1568.50ドルから1578.90ドルまで反発した。その後1574.80ドルまで下げたが、米国株式の伸び悩みを意識して通常取引終了後の時間外取引で1580.20ドルまで戻した。
★米国債券市場は反発:世界景気の先行き懸念から買い優勢
米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年債国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.61%で終了した。中国の新型肺炎の感染者数が認定基準の見直しで急増し、世界景気の先行き懸念が強まると、安全資産とされる米国債に買いが入った。 米30年債入札は『好調』な結果となった。
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