FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:新型肺炎の感染拡大の勢い鈍化を好感

NYダウは275.08ドル高の29551.42、ナスダックは87.02ポイント高の9725.96で取引を終了した。中国での新型肺炎の感染拡大の勢いが弱まりつつあるとの見方から、投資家心理が改善し買いが先行した。米大統領選の民主党候補者指名に向けたニューハンプシャー州予備選ではバーニー・サンダース上院議員が勝利したものの、他候補との差は僅かであり指名争いが難航するとの見方から、トランプ大統領が有利であるとして終日堅調推移となった。VIX指数は15.18から13.74へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好でドル買い優勢

ドル/円は、中国での新型肺炎の感染拡大の勢いが弱まりつつあるとの見方から、投資家のリスク志向が改善した。ドル/円は欧州時間に一時110.13円と1月21日以来の高値を付けた。ただ、1月17日の高値110.29円がレジスタンスとして働くと109.92円付近まで伸び悩む場面があった。もっとも、対ユーロ中心にドル高が進んだ影響もあって下値は堅く、引けにかけては110.11円付近まで持ち直した。
 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会で『低水準の失業率、賃金の上昇、雇用創出の増加という現在の状況が継続しない理由はない』と述べ、『米経済の現状に不調も不均衡も存在しない』との考えを示したが、相場の反応は限られた。 

ユーロ/ドルは、欧州時間に発表された12月ユーロ圏鉱工業生産が予想を下回ったことで、ユーロ圏の景気懸念が広がりユーロ売りが先行した。独政治の先行き不透明感を背景としたユーロ売りも出やすく、重要なサポートとして意識されていた昨年10月1日の安値1.0879ドルを下抜けると、一時1.0865ドルと2017年5月12日以来約2年9カ月ぶりの安値まで下げ足を速めた。
メルケル独首相の退陣が近づく中、後継者とされていたクランプカレンバウアー氏が失脚し独政局が流動化。その後も政局を巡る混迷が伝えられている。 

 

NY原油先物市場は反発:株式市場が堅調でリスク選好の買い優勢に

NY原油先物市場は49.95ドル-51.73ドルのレンジ相場となった。中国の新型肺炎の感染拡大ペースの鈍化への期待感が高まり、新型肺炎をめぐる過度の警戒感が後退し、株式市場が堅調な動きとなる中、リスク資産とされる原油も買われた。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で、原油は745.9万バレルの積み増しと予想以上に増加した一方で、ガソリンとディスティレート(留出油)は予想以上に減少し、強弱まちまちの結果となり、反応は限られた。

 

NY金先物市場は反発:米株高を意識して上げ渋る

NY金先物市場は1564.40-1573.60ドルのレンジ相場となった。新型肺炎による経済への影響が懸念され、買いが優勢となるも、新型肺炎の感染拡大ペースが鈍化するとの思惑で、値幅は限られた。また、米国株高となったことも意識され上げ渋った。

 

米国債券市場は続落:新型肺炎の感染拡大鈍化との見方で売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)1.63%で終了した。中国での新型肺炎の感染拡大の勢いが弱まりつつあるとの見方から、安全資産とされる米国債に売りが出た。なお、米10年債入札は『好調』と受け止められたものの、相場の反応は限られた。 

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