FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:利益売りと新型肺炎の感染拡大を嫌気

NYダウは277ドル安の29102.51、ナスダックは51.64ポイント安の9520.51で取引を終了した。注目された米1月雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を上回る強い結果となったが、先日までの大幅上昇で週末を控えた利益確定売りが強まった。また、FRBが半年に1度議会に提出する金融政策報告書で『新型コロナウイルスの流行は米経済見通しへの新たなリスクで、世界市場を混乱させる恐れがある』と警告すると、新型肺炎による世界景気への悪影響が改めて意識されて売りが広がった。アップルやキャタピラーなど中国関連銘柄の下げが大きかった。VIX指数は14.96から15.47へ上昇した。

 

NY外国為替市場:新型肺炎拡大が嫌気されリスク回避の円買い

ドル/円は、米労働省が発表した1月米統計で、非農業部門雇用者数が前月比22万5000人増と予想の前月比16万人増を上回ったことが分かり一時110.00円付近まで買われたものの、失業率が3.6%と予想の3.5%より弱い内容だったことからすぐに失速した。新型肺炎による世界景気への悪影響が改めて意識される中、NYダウが320ドル超下落するとリスク回避的な売りが優勢となり、一時109.53円付近まで下げ渋る場面があった。もっとも、ドルが欧州・オセアニア通貨に対して堅調に推移すると、ドル/円にも買い戻しが入り、109.84円付近まで下げ渋る場面があった。

ユーロ/ドルは、欧州時間発表の12月独鉱工業生産が予想を大幅に下回ったことを受けて、ユーロ圏の景気懸念が広がり全般ユーロ売りが先行した。1月米雇用統計発表ごに1.0976ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、ドルが欧州通貨やオセアニア通貨に対して上昇すると、ユーロ/ドルにも売りが出て一時1.0942ドルと昨年10月8日以来約4ヵ月ぶりの安値を付けた。

 

NY原油先物市場は反落:世界経済の減速懸念強まり売り優勢

NY原油先物市場は50.09ドル-51.48ドルのレンジ相場となった。この日発表された1月米雇用統計はまずまず良好な内容だったが、新型コロナウイルスの感染拡大や世界経済の減速に対する警戒感が高まり、原油需要減少の思惑が再び広がったことから、売りが優勢となった。また、OPEC+でロシアが減産幅拡大に対して疑問を呈していることも、原油先物の売りにつながった。米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比1基増加の676基になった。

 

NY金先物市場は続伸:FRBによる金融政策報告書の内容でリス回避の買い

NY金先物市場は1563.50-1577.80ドルのレンジ相場となった。米雇用統計のヘッドラインで非農業部門雇用者数が好結果だったことが伝わると、一時1563.50ドルまで金先物もリスク選好により弱含む場面があった。しかし、米連邦準備理事会(FRB)が議会に半年に一度提出する金融政策報告書の中で新型肺炎の感染拡大が新たな脅威になり中国経済に混乱を招き、世界経済に波及する可能性を警告したことから、欧米株式が反落し、金先物は安全資産として買われた。 

 

米国債券市場は続伸:新型肺炎による世界景気への悪影響を嫌気

米国債券市場で長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)1.58%で終了した。新型肺炎による世界景気への悪影響が改めて意識されて、安全資産とされる米国債に買いが集まった。また、米国株の大幅下落も債券買いを誘った。

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