FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は下落:新型コロナウイルス感染拡大を嫌気した売り

NYダウは603.41ドル安の28256.03、ナスダックは148.00ポイント安の9150.94で取引を終了した。中国で多数の死者を出している新型コロナウイルスの感染が世界規模で広がる中、投資家の不安心理が再燃しリスク回避の動きが加速した。NYダウは一時680ドル超下落した。米政府が中国全土への渡航を最高警戒レベルに引き上げたことを受けて、米航空3社は中国行きの直行便を運休する。市場では『感染拡大による世界経済への悪影響に現実味が増してきた』との声が聞かれた。VIX指数は、15.49から18.84へ上昇した。週間では、ダウ平均が2.53%安、S&P500が2.12%安、ナスダック総合が1.76%安とそろって2週続落。1月月間では、ダウ平均が0.99%安、S&P500が0.16%安と5カ月ぶりに反落。一方、ナスダック総合は1.99%高と5カ月続伸となった。

 

NY外国為替市場:リスク回避の円買いでドルは失速

ドル/円は、中国で発生した新型コロナウイルスの感染が英国やイタリア、ロシア、スウェーデンなどでも確認されたほか、アメリカン航空など米航空3社は中国行きの直行便を運休すると伝わった。中国全土をはじめ世界規模で感染が拡大し、米国経済の成長鈍化を招くとの懸念からリスク回避目的の円買い・ドル売りが優勢になった。1月米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が42.9と予想の48.8を下回ったことも相場の重石となり、一時108.31円と8日以来の安値を付けた。市場では『月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測された』との声も聞かれた。なお、ダウ平均は一時680ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は480円下げた。また、米10年債利回りは一時1.5017%前後と昨年9月5日以来の水準まで低下する場面があった。

ユーロ/ドルは、米長期金利の低下などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが入ったほか、月末のロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが出て一時1.1096ドルと日通し高値を付けた。

 

NY原油先物市場は続落:新型肺炎の感染拡大で需要鈍感懸念で売り

NY原油先物市場は、中国を発生源とした新型肺炎への懸念は、昨日の世界保健機関(WHO)による『緊急事態』を宣言しての対応でも収束しきれず。経済活動の停滞によるエネルギー需要鈍化の観測が原油相場を圧迫した。米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比1基減少の675基となった。

 

NY金先物市場は伸び悩む:米国株の大幅下落で時間外で買い戻し

NY金先物市場は1575.00-1595.50ドルのレンジ相場となった。中国で発生した新型肺炎の拡大懸念によるリスク回避で安全資産としての買いが先行し、一時1593.8ドルまで上昇した。しかし、27日に頭打ちとなった1594.7ドルを目前に買いの流れは失速した。週末の調整フローが上値を抑えた。ただ、週間では先週末の4月限引値1578.2ドルより上昇して引けている。また、米国株式の大幅下落を意識して通常取引終了後の時間外取引で再上昇した。

 

米国債券市場は上昇:新型肺炎の感染拡大と米国株の大幅下落で買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は高い)1.51%で終了した。中国で発生した新型肺炎の感染拡大による世界経済への悪影響を懸念し、安全資産とされる米国債に買いが集まった。米国株の大幅下落も債券相場の上昇を後押しし、利回りは一時1.5017%前後と昨年9月5日以来の低水準を付けた。 

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