FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:FOMC声明やFRB議長会見後に売られる展開

NYダウは11.60ドル高の28734.45、ナスダックは5.48ポイント高の9275.16で取引を終了した。予想を上回る決算や見通しを発表したアップルが買われたほか、『737MAX』墜落事故に伴うコストが予想よりも少なくなるとの見方が出ているボーイングが買われ、指数を押し上げた。NYダウは一時220ドル超上昇する場面があった。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)後は急速に上げ幅を縮める展開になった。FOMC声明やFRB議長会見が『新味に乏しかった』との見方から売りが優勢となった。VIX指数は16.28から16.39へ上昇した。

 

NY外国為替市場:FOMC後に長期金利低下でドル売り強まる

ドル/円は、12月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数)が予想を下回ったことで円買い・ドル売りが先行し、一時108.93円と日通し安値を付けた。ただ、良好な米企業決算を受けてNYダウが一時220ドル超上昇すると円売り・ドル買いが優勢になり、一時109.25円付近まで値を上げた。もっとも、アジア時間に付けた日通し高値109.27円を上抜けることは出来なかった。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の定例記者会見後は米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢となり、109.00円付近まで下押しする場面があった。
 FOMCはこの日、市場の予想通りFFレート誘導目標を1.50-1.75%に据え置くことを決めたと発表した。声明では、米経済について『労働市場は力強く推移し、経済活動が緩やかなペースで拡大した』と指摘し前回の認識を維持した。金融政策についても『現在のスタンスは適切』とし『経済見通しに関する今後の情報を引き続き注視する』との方針を変えなかった。
 パウエルFRB議長は会見で『現在の金融スタンスは適切』と述べ、当面現在の金融政策スタンスを維持する姿勢を示したものの、新型肺炎については『不確実性残る』『感染拡大による影響を注意深く監視する』と述べて警戒感をにじませた。超過準備の付利(IOER)引き上げについては『テクニカル的な小幅調整を意味する』とした。

ユーロ/ドルは、一時1.0992ドルと昨年11月29日以来2カ月ぶりの安値を付けた影響が残った。ただ、FOMC後に米長期金利が1.57%台まで低下するとユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.1021ドル付近まで下げ渋る場面があった。 

 

NY原油先物市場は小幅に反落:在庫増で売り優勢

NY原油先物は52.81ドル-54.37ドルのレンジ相場となった。米週間石油在庫の発表前に警戒感から下押し、在庫積み増しを確認すると52.81ドルまで下落幅を広げた。ただ、その後はいったん材料を織り込んだ形で下げ渋り、53ドルを回復した。石油輸出国機構(OPEC)による減産継続の観測が歯止めとなっている。ただ、新型のコロナウイルスによる肺炎患者が増えていることから、原油先物は伸び悩んだ。

 

NY金先物市場は小幅高:安全逃避的な買い意欲で底堅い展開

NY金先物市場は1562.10∸1577.70ドルのレンジ相場となった。日欧米の株価が上昇と、新型肺炎を懸念したリスク回避をいったん緩めた昨日来の地合いが継続した。安全資産とされる金を買う動きは緩慢だった。ただ、金市場を含めた投資資金の流れに影響を及ぼすイベント・米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に強い方向感は出ず調整の買い戻しが入り、小幅に上昇して引けた。新型のコロナウイルスによる肺炎患者は増加しており、死者も増えていることから、安全逃避的な金買い意欲は残っている。

 

 

米国債券市場は反発:パウエル米FRB議長の発言受け買い優勢に

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)1.58%で終了した。予想を下回る米住宅指標を受けて債券買いが先行した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で『新型コロナウイルスの感染拡大を注視している』と述べると、債券買いに弾みが付いた。

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