FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:続落した反動の値ごろ感からの買い優勢

NYダウは187.05ドル高の28722.85、ナスダックは130.37ポイント高の9269.68で取引を終了した。前日までに5日続落した反動で値ごろ感の出た銘柄を中心に買いが広がった。訪中した世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が『中国には新型コロナウイルスの感染を管理、抑制できる力があると確信している』と表明したことも投資家心理の改善につながった。引け後に予定される携帯端末のアップル(AAPL)や半導体のアドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)の好決算への期待が広がったことも買い材料になった。VIX指数は18.23から16.28へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドルは底堅いものの上値も重い

ドル/円は、日本時間夕刻に一時108.76円まで下落したものの、前日の安値108.73円手前で下げ止まると徐々に買い戻しが優勢になった。市場では『一目均衡表雲の下限108.81円レベルが重要なサポート』との指摘があった。NY市場に入り、1月米消費者信頼感指数が131.6と予想の128.0を上回ったほか、1月米リッチモンド連銀製造業景気指数がプラス20と予想のマイナス3より強い内容だったことが分かると、円売り・ドル買いが活発化した。NYダウが一時280ドル超上昇し、日経平均先物が190円上げたことも相場の支援材料となり、一時109.20円と日通し高値を付けた。もっとも、中国の新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大に収束の兆しはなく、投資家のリスク回避姿勢は続いている。日本では中国・武漢への渡航歴がない日本人男性がウイルスに感染していることが確認されたほか、ドイツでは新たに3人の感染が確認されたと伝わった。 

 

ユーロ/ドルは、スイスフランやポンドなど欧州通貨に対してドル高が進んだ流れに沿ってユーロ売り・ドル買いが先行した。米消費者信頼感指数が予想を上回るなど、米経済指標が好調な内容だったことが分かるとドル買いがさらに進み一時1.0998ドルと昨年11月29日以来の安値を付けた。ただ、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢になった。ユーロ/円の上昇につれた買いなどが入り1.1023ドル付近まで値を上げた。もっとも、今日の高値はアジア時間に付けた1.1025ドルで値幅は0.0027ドル程度と比較的小さかった。明日予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を見極めたいとして狭い範囲の取引だった。 

 

NY原油先物市場は反発:一旦悪材料織り込みで買い戻し

NY原油先物市場は52.68ドル-53.92ドルのレンジ相場となった。中国で発生した新型肺炎が世界経済に悪影響を与え、エネルギー需要を弱めるとの悪材料をいったん織り込んだ。欧米株の上昇が安心感を誘い、昨日つけた昨年10月10日以来、約3カ月半ぶりの安値52.13ドルから、本日は一時53.92ドルと、54ドル台回復に迫った。また、中国国営メディア新華社が 『中国の研究チームがウイルス対策の候補薬30種を試験する』と報じたことも買い材料となった。

 

NY金先物市場は反落:安全資産の買いが一服

NY金先物市場は1566.10-1582.20ドルのレンジ相場となった。中国・武漢で発生した新型肺炎を材料としたリスク回避が一巡した。3営業日続伸で8日以来の水準まで上昇していた動きに調整が入った。本日から開催されている米連邦公開市場委員会(FOMC)の明日の結果発表待ちのムードもあった。また、中国国営メディア新華社が『中国の研究チームがウイルス対策の候補薬30種を試験する』と報じたことを受けて、安全逃避の金買いはやや一服した。

 

米国債券市場は反落:良好な米経済指標の結果を受け売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%高い(価格は下落)1.65%で終了した。中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大の懸念を背景とした世界的な債券高の流れがひとまず一服した。1月米消費者信頼感指数などこの日発表の米経済指標が良好な結果となったことも債券売りを誘った。 

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