FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:WHOの緊急事態宣言見送りで買い戻し

NYダウは26.18ドル安の29160.09、ナスダックは18.71ポイント高の9402.48で取引を終了した。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から投資家心理が悪化し一時210ドル超下げた。シンガポールでも感染者が発見されたことが嫌気された。しかし、世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスについて『緊急事態宣言』を見送ると急速に買い戻しが入り、プラス圏を回復する場面があった。VIX指数は12.91から12.98へわずかに上昇した。

 

NY外国為替市場:WHOの緊急事態宣言見送りでドル買い戻し

ドル/円は、ラガルドECB総裁の会見をきっかけにユーロ/円が下落するとドル円にも売りが先行した。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念を背景に世界で株安傾向となり、投資家がリスク回避姿勢を強めたことも円買い・ドル売りを誘い一時109.27円と9日以来の安値を付けた。なお、NYダウは一時210ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は150円下げた。また、米長期金利は一時1.7117%前後まで低下する場面があった。ただ、売り一巡後は下げ渋る展開になった。世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスによる肺炎について『緊急事態宣言』を見送ったことが買い戻しを誘った。NYダウが一時的にプラス圏を回復したことも相場の下支え要因となり、109.54円付近まで上げた。

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)定例理事会を控えて、しばらくは1.10ドル台後半でのもみ合いが続いていたが、ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で『入手した経済指標はECBの基本シナリオに一致』『基調インフレに緩やかな上昇の兆しがある』と述べるとユーロ買いが先行し、一時1.1109ドルと日通し高値を付けた。ただ、同総裁が『成長見通しのリスクは依然として下向き』との見解を示したほか、『非常に緩和的な政策が長期に渡り必要』『インフレ回復せず政策を再検討する』と発言すると一転下落し、一時1.1036ドルと昨年12月2日以来の安値を付けた。なお、ECBはこの日の定例理事会で主要政策金利を据え置くとともに、物価目標を含む政策戦略の検証を開始したと明らかにした。

 

NY原油先物市場は続落:新型肺炎への感染拡大懸念強くリスク回避の売り

NY原油先物市場は54.77ドル-56.27ドルのレンジ相場となった。中国の新型コロナウイルスへの懸念で投資家のリスク回避の姿勢が強く、原油先物は売りが先行し、国際エネルギー機関(IEA)の週間在庫統計の発表後も売りが継続した。同統計では、原油在庫は40.5万バレルの取り崩しと市場予想ほど減少せず、ガソリンは174.5万バレルの積み増しと予想以上に増加したのが嫌気された。 

 

NY金先物市場は反発:米国株が下げ渋るもリスク回避の金買い継続

NY金先物市場は1551.30-1567.50ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルスが検出された湖北省武漢市以外で初の死者が出るなど、中国の新型肺炎への懸念が払しょくされず、金融市場全般にリスク回避ムードが高まり、安全資産の金は買いが優勢となった。 WHOが『緊急事態宣言』を見送り米国株安は一服したものの、金買いは縮小しなかった。

 

米国債券市場は上昇:新型肺炎の感染拡大でリスク回避の買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は上昇)1.73%で終了した。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念から投資家心理が悪化し、安全資産とされる米国債に買いが集まった。利回りは一時1.7117%前後と1カ月半ぶりの低水準を付けた。 

カテゴリー: 朝の市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ