FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米イラン対立への警戒感後退で買い継続

NYダウは211.81ドル高の28956.90、ナスダックは74.18ポイント高の9203.43で取引を終了した。米イラン対立への警戒感が後退したほか、アップルやボーイングなど個別で好材料が出た銘柄が買われ相場を押し上げた。半面、ベライゾン・コミュニケーションズやユナイテッドヘルスなどが売られ、相場の重石となった。また、中国の劉首相が13日からワシントンを訪れ、15日に米中貿易交渉の第一段階目の合意について両国が署名する予定が報じられたことも好感された。VIX指数は13.45から12.54へ低下した。

 

NY外国為替市場:ドルはリスク選好から底堅い展開続く

ドル/円は、米国とイランの軍事衝突回避を手掛かりに、独株式相場は約2年ぶりの高値を付け、米国株相場は史上最高値を更新した。投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ドル買いが優勢となった。ペンス米副大統領が『米国はイランに対して最大限の圧力を掛け続ける』と述べたことで一時109.32円付近まで売られる場面もあったが、下押しは限定的となり、一時109.58円と日通し高値を付けている。
 好調な米30年債入札を受けて米長期金利が低下に転じると再び109.39円付近まで下げる場面もあったが、中東情勢の悪化懸念が後退するなか下値は限られた。なお、トランプ米大統領は中国との『第2段階』貿易交渉について『直ちに開始する』としたものの、『合意は選挙後まで待つ可能性がある』との考えを示した。

ユーロ/ドルは、米国とイランの対立が深刻化するとの懸念が和らぐ中、ユーロ売り・ドル買いが先行し一時1.1093ドルと日通し安値を付けた。ただ、米30年債入札後に米金利が低下すると買い戻しが入り下げ渋った。 

 

NY原油先物市場は続落:地政学リスクの後退から上値の重い展開

NY原油先物市場は58.66ドル-60.31ドルのレンジ相場となった。市場が警戒していたイランと米国の全面的な軍事衝突がひとまず回避され、中東からの供給不安が後退したことを背景に原油相場は売り優勢で始まった。原油先物は59ドルを割り込むとロングの投げも巻き込み、58.60ドル台まで下落した。しかしながらその後、『イラク・バグダッドの北、バラッド空軍基地付近にロケット弾が着弾した』との一部報道で、再び中東・地政学リスクが意識され、59ドル後半まで反発する場面もあった。

 

NY金先物市場は続落:中東情勢への過度な警戒感後退から売り優勢

NY金先物市場は1541.00∸1562.40ドルのレンジ相場となった。米国とイランが全面戦争をひとまず回避し、中東地域への過度な警戒感の後退を受けて、安全資産の金は売りが先行した。また、為替相場でドルがユーロに対して堅調となった場面では、ドル建ての金先物も1550ドル割れで弱含んだ。もっとも、イラクの米軍基地近くにロケット弾が着弾と報じられ、地政学リスクが意識されると金も下げ幅を縮小して引けた。

 

米国債券市場は反発:好調な米30年債入札受け買い戻し

米国債券市場で長期ゾーンは4営業日ぶりに反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)1.85%で終了した。中東情勢の緊張が和らいだことで安全資産とされる米国債には売りが先行したものの、好調な米30年債入札を受けて買い戻しが優勢となった。

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