FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米国とイラン両国の武力衝突の警戒感後退

NYダウは161.41ドル高の28745.09、ナスダックは60.66ポイント高の9129.24で取引を終了した。イランは7日夜にイラク国内の米軍基地を攻撃したが、米国との緊張激化や戦争を望まない意向を示した。トランプ米大統領もイランに対する軍事力行使を「望まない」と表明したことから、両国が一段の武力行使には動かないとの見方が広がった。ユナイテッドヘルスやアップル、ホーム・デポなどに買いが集まり、上げ幅は一時280ドルを超えた。VIX指数は13.79から13.45へ低下した。

 

NY外国為替市場:地政学リスク後退でドルの買い戻し強まる

ドル/円は、イランが7日夜にイラク駐留の米軍基地を攻撃したことを受けて、アジア市場では一時107.65円と昨年10月10日以来約3カ月ぶりの安値を付けたが、そのあとは中東情勢への過度な警戒が後退し買い戻しが優勢となった。12月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が前月比20万2000人増と予想の16万人程度増を上回ったことで、円売り・ドル買いが先行した。トランプ米大統領が演説で『イランは攻撃後、行動を抑制しているようだ』『イランの攻撃で米国人に犠牲はなかった』『我々の軍事力を行使したくはない』と述べ、報復を否定すると目先の武力衝突の可能性が後退した。足もとで進んでいたリスク回避の巻き戻す動きが加速し、一時109.24円まで上値を伸ばした。NY終盤には『イラク・バグダッドのグリーンゾーンに数発のロケット弾攻撃があった』と伝わり一時109.00円付近まで伸び悩む場面もあったが、『この攻撃で死傷者はなかった』ことからすぐに持ち直している。

ユーロ/ドルは、アジア時間に一時1.1168ドルまで買われたあとはじり安の展開になった。イランが米国との緊張激化や戦争を望まない意向を示したうえ、トランプ米大統領もイランに対する軍事力行使を『望まない』と表明した。両国の直接的な武力衝突が回避できるとの見方から米10年債利回りが1.87%台まで上昇すると、ユーロ売り・ドル買いが優勢となり一時1.1102ドルと日通し安値を付けた。良好な米雇用指標も相場の重石となった。

 

NY原油先物市場は大幅続落:地政学リスク後退で売り優勢に

NY原油先物市場は59.15ドル-65.65ドルのレンジ相場となった。イランがイラクの米軍基地を攻撃したことで中東情勢の更なる混迷が懸念され、時間外のNY原油先物は65ドル半ばまで急騰した。しかしながら、過度な警戒が徐々に後退するにつれて売り戻しが強まっていった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した原油在庫統計が、取り崩し予想から積み増しとなったことも上値を抑えた。その後、トランプ米大統領がイランに対して武力行使を否定するとロングの投げが加速し、一時59ドル前半まで売り込まれている。 

 

NY金先物市場は反落:地政学リスクの後退と米長期金利上昇を嫌気

NY金先物市場は1553.40-1613.30ドルのレンジ相場となった。イランがイラクの米軍駐留基地を攻撃したと伝わると安全資産の金に買いが集まり、時間外のNY金先物は一時1613ドル台まで値を上げて約7年弱ぶりの高値を記録した。しかしながら、戦争を望まないとしたイランにトランプ米大統領も武力行使による報復を否定したことで、リスク回避の巻き戻しが急ピッチで進んだ。為替相場でドル高が進んだことも重しとなり、2月限は一時1560ドルを割り込む場面があった。また、米長期金利の上昇や株高も金先物相場の下落を促した。

 

米国債券市場は続落:地政学リスク後退から売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3日続落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は下落)1.87%で終了した。トランプ米大統領の演説を受けて、米イラン武力衝突への警戒感が後退し、安全資産とされる米国債に売りが出た。 

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