FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米中貿易交渉の先行き不透明感から上値重い

NYダウは3.33ドル高の28135.38、ナスダックは17.56ポイント高の8734.88で取引を終了した。米中が貿易交渉『第1段階』の合意に達し、15日発動予定の対中追加関税が見送られたことが好感されて一時150ドル超上昇した。ただ、トランプ米大統領はツイッターに『25%の関税は残るだろう』と投稿した。既存の制裁関税の撤廃に否定的な見解を示したことで、上値は重かった。これから始まる『第2段階』の交渉に対する不透明感もあった。目先の材料の出尽くし感もあり、その後は小幅な値動きで揉み合う展開となった。 VIX指数は13.94から12.63へ低下した。

 

NY外国為替市場:NY時間からはドル買い一服で上値の重い展開

ドル/円は、欧州株相場や日米株価指数先物が上昇したことを受けて、リスク・オンの円売りが先行すると一時109.70円と日通し高値を付けた。ただ、重要なレジスタンスとして意識される2日の高値109.73円の上抜けに失敗すると徐々に上値が重くなった。NY時間に入り、CNBCが『中国は依然として米農産物の購入目標に関して懸念を抱いている』と報じると円買い・ドル売りで反応した。トランプ米大統領がツイッターに『中国との合意に関するWSJの記事、特に関税に関する部分は完全に間違っている』と投稿すると株価の失速とともに円買い・ドル売りが活発化し109.25円付近まで下押しした。ただ、中国商務省が記者会見を開き『米国と貿易協議の第1段階合意に達した』との声明を発表すると、一時109.63円付近まで買い戻された。NYダウも一時150ドル超上昇する場面があった。もっとも、米下院司法委員会がトランプ大統領弾劾訴追案を巡る採決を実施し、権力乱用と議会妨害の弾劾条項を賛成多数で可決したと伝わると米国株が一転下落した。不安定な値動きに日経平均先物やドル円にも売りが出て一時109.21円付近まで値を下げた。米長期金利も一時1.8139%前後まで大幅に低下した。
トランプ米大統領はツイッターに『25%の関税は残るだろう』とも投稿した。既存の制裁関税の撤廃に否定的な見解を示したことで、ドルの上値が重くなった面もある。これから始まる『第2段階』の交渉に対する不透明感もある。

ユーロ/ドルは、アジア時間早朝に一時1.1199ドルと8月13日以来4カ月ぶりの高値を付けたあとは軟調な展開になった。ポンド/ドルの失速につれた売りが出たほか、米中が『第1段階』の通商合意に達したことがユーロ売り・ドル買いを促し一時1.1112ドルと日通し安値を更新した。

 

NY原油先物市場は続伸:需要増加期待膨らみ買い優勢

NY原油先物市場は、米中が第1段階協議で正式に合意し、15日発動予定の対中制裁関税が中止されたことが好感された。中国政府は『第1段階の貿易交渉は大きな進展を遂げた』『米国は中国製品への関税を段階的に削減する』『中国は米国からの輸入を拡大する』などの声明を発表した。米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は前週末比4基増加の667基となった。

 

NY金先物市場は反発:トランプ大統領の弾劾訴追条項可決で買い優勢

NY金先物市場は1465.50-1482.30ドルのレンジ相場となった。米中第1段階協議は正式に合意し、15日発動予定の対中追加関税は見送られたと発表され、売りが入る場面もあったが、米下院司法委員会がトランプ大統領弾劾訴追案を巡る採決を実施し、権力乱用と議会妨害の弾劾条項を賛成多数で可決したと伝わったことも材料視され、逃避資産の金に買いが入った。 また、この日発表された11月の米小売売上高は市場予想を下回ったことも材料視された。

 

米国債券市場は反発:米中貿易交渉の第2段階に対する不透明感から買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は上昇)1.82%で終了した。米中が貿易交渉『第1段階』の合意に達したことで債券売りが先行したものの、これから始まる『第2段階』の交渉に対する不透明感から徐々に買い戻しが優勢となった。

 

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